「会社のオンライン飲み会が地獄すぎる」とのツイートが話題に
「コロナ対策ではやりのオンライン飲み会を『俺もしたい!』という上司に付き合ってあげたら、ああだこうだと私生活に介入された。『なんで君は自分の部屋を見せられんのだ。だらしない生活をしとるからだろう』といじられる」
「つまらなくて寝だした奴が『寝るなぁ!』と怒鳴られる。俺はニッカの瓶だけチラ見せしてコップには麦茶入れて呑んでいる。幇間役の社員が『これからが本番ですよぉー』と叫んでいる。こうして、いつまでも終えることができない無間地獄に落ちた……」
上記のような、ある会社員がTwitterに書き込んだオンライン飲み会の様子が、まとめサイトのtogetterで紹介されて大きな話題となった。
『会社の偉い人がオンライン飲み会したいと言うので付き合ったが、オンラインなのにもう帰りたい』→その様子が地獄すぎた「家庭が侵食されてる感半端ない」という記事だ。
戦後日本は「集団に所属する夫と専業主婦の核家族」に最適化された社会
境治のFacebook画面と、私の書き込み
この記事を見て、境治がFacebookに感想を投稿した。境は私の高校時代の新聞部仲間で、コピーライターとして名をなし、現在はメディアコンサルタント。「メディア酔談」というYouTube配信を私と一緒に行っている。
「ここに出てくる『偉い人』ってわしと同世代か少し下くらいでしょう? 会社入った頃は新人類とか言われてもこうなっちゃうんだねー。おれホント日本の会社って奇妙だと思うわ」
境はかなり早い時期に会社を辞めてフリーランスになっている。私はこの投稿に次のようにコメントした。
「早々と逃げ出して良かったじゃない。ぼくらが若手のころも似たようなことあった。NHKの中国地方の若手記者が広島に集められて会議の後、報道統括(中国地方の報道責任者)の行きつけのスナックでベテラン中堅交えて延々説教聞かされるのに嫌気がさして、仲良しだった松江の同期の記者と
『ばっくれようぜ。こんなに大勢いるし酔ってるからバレないだろ』と言って二人で別の店に行ったのだが、翌朝局に行くとその上司が
『お前ら逃げたな!』と怒るという…もうギャグですから 笑」
私は当時20代。初任地であるNHK山口放送局の記者だった。これに境が返信した。
「スナックから出たことを『逃げる』と称して怒るっておかしいだろ、って感じだね。
ぼくはこういう猿山を逃げ出してこんな目には遭わずにすんだけど、離れザルの大変さは味わった。
この国は完璧なほどに『集団に所属する夫と専業主婦の妻による核家族』のみに最適化されて制度設計されてるからそこから外れてる者どもにはキビシイ社会なのだ。それを教えてくれたのがNHKの『日本株式会社の昭和史』という教育テレビの番組だった。戦後体制は戦時体制の延長線上に構築されていて、岸信介が深く関与している、というもの。いまその孫が首相になって令和の戦時にオロオロしてるのは象徴的だと思う」