コロナ禍でモラ夫の横暴が蔓延っても離婚が増えないワケ。しかし、いつか断罪される<モラ夫バスターな日々46>

コロナ禍のモラ夫

<まんが・榎本まみ>

弁護士・大貫憲介の「モラ夫バスターな日々<46>

 「(夫は)糖尿あるし、コロナにならないかしら……」  40代の女性がそう漏らした。女性は、1年ほど前から、離婚の準備をしてきた。ところが、このコロナ禍による自粛で収入が激減し、別居の目途が立たないという。  ところで、筆者の事務所もリモートワークを採用し、スカイプ等による法律相談を始めた。しかし、妻たちは、夫が在宅しているので、自宅からの法律相談は容易ではない。そこで、仕事に行くと嘘をついて法律相談に来所する妻もいる。夫が在宅し、出かける口実もつかない、相談にたどり着けない妻が多数いることは間違いないだろう。

在宅化による、家庭内モラの横行

 国連女性機関は、この4月、外出禁止によりDVが増えているとして各国政府に対策を求めている。(参照:NHK)    離婚相談の実務感覚では、物理的DVのないモラハラ案件は、物理的DV案件の20~30倍はあるので、家庭内モラハラの蔓延は、凄まじいものになっているだろう。  ある夫は、在宅ワークで「仕事の傍ら」、妻を観察し、その家事や言動の「至らない点」を小さな字でびっしりノートに記載した。そして、夕食後、妻を睨みながら、そのノートを読み上げたという。妻は、黙ってそれを聞きながら、心の中で、離婚を決意した。
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10万円の給付金がモラ夫の口座に入る理不尽さ
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