コロナ休校の影響が、子どもの生活に占める割合はわずか8%。“イメージ”で語られる学校生活

学校がわりのコンテンツ提供ばかりが目につく状況に違和感

勉強イメージ  子どもの活動時間のうち、年間約8%にもかかわらず、休校中の過ごし方に対して、今、いろいろなサービスやアイデア、オンラインコンテンツ提供などが目白押しの状態です。   大人たちが「休校のかわりに」といろいろなサービスを申し出てくださることは、子どもの周辺で仕事をしている私たちにとっては、とてもありがたいことです。  けれど「休校になったから大変!」という雰囲気にのまれ、「子どものために」の合言葉のもと、学校がわりのコンテンツ提供ばかりが目につく昨今の状況に、すこしばかり違和感も覚えます。  だって子どもは、学校だけで生きているわけでも、コロナの時期だけに生きているわけでもないのですから。  休校時期の学習支援は慌てなくても、ほかならぬ学校というリソースがすでにあります。約27%の時間にあれだけの学びを詰め込んでいた学校ですから、当然、休校中の子どもたちの学習のためにも精一杯のことをするでしょう。

学校以外の子どもの生活の支援は、まだ不十分なまま

給食イメージ けれど、学校以外の(100-27=)約73%の子どもの恒常的な生活支援・家族支援は、今までも今も、不十分なままです。  たとえば学校給食は、昼食のみ。しかも年間190日程度の提供ということを考えると、給食頼みの子どもは、休校がない頃だってずっと、365-190=175日間、つまり年間約48%の日々は、給食なしで過ごしていたのです。これは1日1食で計算した割合です。1日3食で考えると、給食が子どもの全食事に占める割合は、約17%まで落ち込みます。  もちろん、これは一つの例にすぎません。共同住宅の騒音問題や遊び場不足、家族問題など、休校になる前から子どもの周辺にはいろいろな問題がありました。  だから「子どものため」に動いてくれるというのなら、約8%に過ぎない休校時期の学習コンテンツ提供よりも、約73%を占める「子どもの学校外時間へのアクション」のほうが優先なのではと思うのですが……。 近所イメージ文/林真未 ◆あなたの知らない子育ての話 第3回 <取材・文/林真未>
はやしまみ●公立小学校教員、日本人初のファミリーライフエデュケーター。子ども家庭支援センター、子育てひろば、小規模保育園等を運営する「特定非営利活動法人手をつなご」の理事を務める。著書に『困ったらここへおいでよ。日常生活支援サポートハウスの奇跡』(東京シューレ出版)
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