飲食店等の休業補償を頑なに拒む日本政府。 総理答弁を信号無視話法分析

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2020年4月17日、衆議院厚生労働委員会で無所属・山井和則議員(会派は立憲民主・国民・社保・無所属 フォーラム)の質問に答える安倍総理
via Makabe Takashi’s Youtube

休業補償なしの自粛要請。苦悩する飲食店等の事業者

2020年4月17日、非常事態宣言の日本全国への拡大を安倍晋三総理は発表。しかし、国は飲食店などの事業者に営業自粛を要請する一方、十分な休業補償を約束していない。事業者は要請通りに自粛すれば収入が途絶えて生活が破綻するというジレンマに悩まされ、自粛が進みづらい状況が続いている。これを踏まえて同17日の全国知事会では「休業した事業者には国が損失を補償すべき」と緊急提言までなされている。 〈参照:”<新型コロナ>事業者に休業補償要請 宣言拡大 全国知事会提言”東京新聞4月17日〉  この問題について、同17日の衆議院厚生労働委員会で無所属・山井和則議員(会派は立憲民主・国民・社保・無所属 フォーラム)が安倍総理に質問。本記事では質疑の一部を信号機で直感的に視覚化していく。具体的には、信号機のように3色(はOK、は注意、はダメ)で直感的に視覚化する。(※なお、色表示は配信先では表示されないため、発言段落の後に( )で表記している。色で確認する場合は本体サイトでご確認ください) 20200417 rule 質問に対する安倍総理の回答を集計した結果、下記の円グラフのようになった。 20200417 syukei<色別集計・結果> ●安倍総理:赤信号37% 黄信号43% 青信号6% 灰色15% *小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない  質問の回答(青信号)はわずか6%にとどまっており、ほとんど質問に答えていない。さらに、不要な言葉や意味不明な言葉を意味する灰色が15%もあり、何を言っているのか理解しづらい場面が度々見受けられた。  いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。    なお、実際の映像は真壁隆氏You Tubeチャンネルで視聴可能だ。(本記事で取り上げた場面は、22分54秒〜27分10秒)

緊急事態宣言を全国拡大するならば休業補償を補正予算に入れられないか?

 まず、山井議員は本記事冒頭で紹介した全国知事会による「休業した事業者には国が損失を補償すべき」という緊急提言も踏まえて、休業補償を補正予算に含めることを要望する。その質疑は以下の通り。 20200417 -1山井議員:「これ、多くの方が、自粛をするには、なぜ自粛ができないか、多くの方がまだ会社やお店に行かざるを得ないかというとね、休業補償が無いからなんです。ですから安倍総理が昨日、全自治体に緊急事態宣言を広げられたんであれば、補正予算を組み替えられるんであれば、セットで是非ですね、休業補償、損失補償を入れて頂きたいんです。これを入れないと自粛は進みません。5月6日の緊急事態宣言の解除は無理ですから。なんとか休業補償を補正予算にキッチリと今以上に大幅に入れて頂けませんか?」 安倍総理:あのー、おー、ま、休業に応じて頂いたところに対して、えー、さらに、えー、このー、支援金を出す、ま、東京都等の例はあります。また、今回我々の、えー、交付金を出すわけでございまして、ま、それを活用してということもあると思います。赤信号え、国としてやっていることは何かというとですね、これは休業して頂いたところだけではなくて、えー、これは、あー、すべての、いわば、え、収入が減っている事業者に対して、最高200万円、100万円、それぞれ支援をさせて頂く。ある意味で補償させて頂く。これは、いわば、休業を要請したところ、業種だけではなくて、その周辺の業種の方々もですね、大きな、これは収入減になるわけでありませして。ですから、そういう収入が減った、と、企業あるいは事業主に対して、すべて我々は給付を行う。支援を行って、ある意味では補償を行なっていくということを、えー、こ、えー、これからですね、えー、実施をしていきたいと、こう考えております。赤信号)」 山井議員:「安倍総理、このままいくとお店や中小企業。倒産、廃業、解雇、続出しますよ。自粛が進みません。お店行かないと、お店開けないと生活していけないんですから。ここに飲食店の方々からの倒産防止策を求めますという署名の用紙もお配りをしました。」  総理答弁の1段落目と2段落目はともに論点をすり替えており、赤信号とした。 1段落目 【質問】による休業補償 ↓ すり替え 【回答】自治体による休業補償 2段落目 【質問】休業した事業者への補償 ↓ すり替え 【回答】売上が半減した事業者への支援  2段落目は4月13日に西村康稔 経済再生相が国会で「売り上げが半減した個人事業主には100万円、中小企業には200万円を上限とする現金給付等の支援策を講じる」と答弁した件と同じと見られる。これは休業した事業者への補償とは別の話である。下記の参考記事の通り、同日の答弁で「国として事業者の休業補償を取る考えはない」とまで西村大臣は明言している。 〈*「『国は休業補償しない。交付金も使えない』西村氏が答弁」朝日新聞 4月13日
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頑なに自己の責任については言及せず
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