荒波の新型コロナ相場〈爆損報告〉。今なお3000万円の含み損に耐える投資家も…

大暴落で大ショック

taa/PIXTA

NYダウ・日経平均は30%大暴落したのち爆上げ

 新型コロナ禍に伴う自粛ムードでストレスを溜めている人も多いだろう。だが、大幅な資産減少というWショックに頭を悩ませている人もいる。新型コロナ相場に翻弄されたトレーダーたちだ。 「2月までドル/円は上げ上げムードだったのでロング(買い)しっぱなしだったんですが、2月末から暴落し始めて含み損が急増。50万円、100万円と追加入金して耐えていましたが、ついには強制ロスカット。ここで諦めたら試合終了だと、さらに50万円入金して、今度はショート(売り)したんです。そしたら、3月1日にドル/円は101円で底をつけて、そこから3週間で10円も上昇……。年始には900万円以上あったFX資産が80万円になりました」  こう話すのは小誌SPA!の投資好き記者I。昨年は資産を3倍にし、ホクホク顔で例年より多めの確定申告をしようとした矢先の爆損で茫然自失。目下、リモートワークの名の下、損失回復トレードに励んでいるとか。にわか投資家のよくある末路だが、今回の相場では玄人も多数やられている。資産2億円超の兼業投資家として知られるJACK氏が話す。 「3月末に向けて優待・配当取りのポジションを持っていたので、それを投げ売りするハメになって数百万円の損失が出ました。トレーダー仲間には数千万円の損失を出した人や、急にインスタの更新が止まった人もいます……。爆損で更新する気が失せたのならいいんですけど、新型コロナに感染して重症化している可能性もあるので、怖くて確認できない」

買いでも売りでも刺される投資家続出!

 振り返れば、2月までNYダウは連日のように過去最高値を更新していた。それが3月になって一変した。金融ライターの高城泰氏が話す。 「欧米での感染拡大に、サウジアラビアとロシアの対立からくる原油価格の暴落が重なりました。3月9日にはNYダウが2013ドル安という過去最大の下げ幅を記録しましたが、その後も12日、16日と、いとも簡単に過去最大の下げ幅を更新し続けた。リスクオフ相場では円高が進むものですが、定石に反して資産を現金化するためのドル買いが加速したのは投資家にとって誤算だったでしょう。だから、買いでも売りでもやられる人が続出したんです。3月の店頭FX取引のデータを見ると、個人投資家が1800億円もの巨額損失を被ったことがわかる。中でも悲惨なのは、メキシコペソを買っていた投資家。高金利通貨ブームもあって2月に対円で1年半ぶりに6円台の高値をつけましたが、原油価格暴落で資源国通貨のペソは3月に30%近くも暴落しました」 新型コロナ相場 爆損報告 その高金利通貨で泣きを見た一人が専業投資家のサトウカズオ氏だ。 「トルコリラ買い、ペソ買いのスワップ(金利)狙いの長期ポジションに加えて、ドル、豪ドルなどで一定幅下落したら自動的に買いを入れるリピート系の自動売買などで6800万円を運用していましたが、あまりの暴落で余裕を持たせていたはずの証拠金が不足。頭が真っ白になって無心のまま豪ドルを損切りするハメになりました。全部切り終わって、508万円の確定損失を目にしたときの虚しさったらありません。かと思ったら、直後から豪ドルが急騰……。損切りしなくてよかったじゃん!と、さらにショックを受けました。SNSで『資金計画・資金管理が大事』と自分で言っておきながら、高金利のメキシコペソだけは持ち続けようと、追加入金という禁じ手まで使ってしまいました。そのせいか、損失報告をしたら『損した人の意見なんて聞きたくない』とネガティブなコメントも届いて、さらに傷心。今も2800万円の含み損を抱えているのに……」
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