「日本の現代食はヘルシーではない!」グローバル商社からオーガニック事業へ異例の転身を果たす男の思い 

治療ではなく予防にお金を使うべき

武田氏

t-iarumas T&A株式会社代表取締役・武田淳氏

武田:「今の事業は若手に任せ、私は新しい事業にチャレンジしたいと考えてます。現在の私の関心は、オーガニック食品、食材を主としたカフェ事業です」 山口:「オーガニックの世界で人生設計しようと考えたきっかけは何ですか」 武田:「独立後『健康』を意識するようになり、『健康的な体づくり』という事にコミットしてきました。紆余曲折ありたどり着いたのが『食』でした。我々の体は、食べている物でできているというのが、行き着いた答えでした。  海外では日本食はヘルシーだというのが一般的な認識ですが、現代食ははたしてそうでしょうか? 便利と安さを追求したコンビニ食、ファミレス、ファストフードなどは例外なく添加物だらけの加工食品であり、健康な身体をつくるための栄養素などほとんどない山口:「その思いが、ビジネスにつながるわけですね」 武田:「『食』を見直し、適度な『運動』をし、ストレスを溜めないことによって、健康的な身体を維持することができると思っています。そこでオーガニックの食品、食材を使った食事ができて、人を癒せる空間を創りたいなと思うようになり構想を練っていました。  これからは、治療にお金を使うのではなく、予防にお金を使う時代だと思います。予防医学が当たり前になれば、今問題の医療費の高騰も防げると思います」

名前よりも職種が大事

山口博氏

本連載「分解スキル反復演習が人生を変える」でお馴染みの山口博氏

山口:ビジネスと人生設計がクロスしているのですね」 武田:「私は学生時代から、『どこの会社に入りたいか』よりも『何をしたいのか』にこだわってきました。つまり会社のネームバリューよりも職種のほうが大事でした。  そしてこだわってきたのが『海外営業』という職種です。そのこだわりが今の道を創ってきたのだと思います。なので『何をしたいのか』を自分の心に正直に問うてみることが大事だと思います」 <対談を終えて>  武田さんと話していてひしひしと感じることが、いかに生きるべきかということを常に考え続けて、ビジネスをしているということだ。言葉の節々、一挙手一投足に、あるべきものを目指す息遣いを感じる。行き着いた先が、オーガニックカフェで、それがビジネスになった。いかに生きるべきかという思考をビジネスに一致できる人は極めて少ないが、武田さんはその一人だ。(モチベーションファクター株式会社・山口 博) 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第185回】 <文/山口博>
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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