窮地の医療、増える「受診控え」。でも、具合が悪いならコロナ以外でも今のうちに早めに受診を

気になる症状や持病があれば早めに受診を

 そこでもうひとつ読者に言いたいのは、「コロナ以外で気になる症状や持病があれば、早めに病院にかかったほうがいい」ということだ。この先、もしかすると動悸や腹痛などコロナ以外の症状で病院に行っても、「今は医者がいないので診察できない」と言われる可能性もあるのだ。救急救命科もコロナの呼吸困難で運ばれてくる人の対応に追われるので、交通事故に遭っても救急車の受け入れ先が見つからないかもしれない。もし、気になる症状がある人は今のうちに病院に行っておき、これからしばらくは事故などに遭わないよう、より注意して生活する必要がある。 「コロナに感染するかも」「病院は忙しそうだから」といった理由で“受診控え”をする人も増え、コロナ以外の受診者はどこでも激減している。逆に考えれば、今ならほかの症状での受診者は待たずにしっかり診てもらえるともいえる。 「病院全体がコロナに対応しているので、ほかの人は診られない」などという状態になる前に受診を。そして、とにかくコロナを甘く見ない。「緊急事態? 脅しだろ」と肝だめし的に遊びにいく、などというのは愚の骨頂。いつもはこのコラムでもカジュアルな文章を書かせてもらっているが、今回ばかりは真剣だ。自分を守り、何としても生き延びよ! <文/香山リカ>
’60年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。立教大学現代心理学部教授も務める。豊富な臨床経験を生かし、現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続ける。音声アプリ「ヒマラヤ」で「香山リカのココロのほぐし方」を配信中。最新刊『オジサンはなぜカン違いするのか』
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