全国に146店舗、海外に3店舗展開する「スーパーホテル」。都内でも1泊5000円前後から宿泊できるリーズナブルなビジネスホテルだ。
各店舗の支配人と副支配人は、ホテル側と業務請負契約を結んでいる。業務請負契約の場合、「労働者」ではないため、労働基準法の保護は受けられない。しかしスーパーホテルの支配人と副支配人は、実態としては「労働者」であるという。
4月10日、首都圏青年ユニオンが上野労働基準監督署に申告を行い、同日記者会見で明らかにした。
1400ページにもなるマニュアル、仕事に裁量はなし
訴えたのは、スーパーホテル上野入谷口店の支配人のSさんと副支配人の渡邉さん。2人は、2018年9月から、契約を結び、ホテルに住み込みで働き始めた。業務内容は、フロントから経理、朝食の準備、駐車場管理など多岐に渡ったという。渡邉さんは、ホテルでの仕事について、こう話す。
「シフトは
朝5時半から21時まででした。朝食の準備に始まり、チェックアウトの対応や前日の稼働率の報告といった業務が無数にあり、まとまった休憩は一切取れませんでした。食事を取りながら、お客様の対応をするような状態でしたね。
シフトは21時までですが、
それ以降も客室の対応をしなければならないことがあります。またこの仕事を始めてから、
丸一日休めた日はありません。支配人や副支配人の中には、働きすぎで、
病院に行けずに大病を患う人や精神疾患になる人もいます」
業務は全て
1400ページにもなる膨大なマニュアルで事細かに定められているうえ、
ペン1本買うのにも会社の稟議が必要だという。そのため、青龍美和子弁護士らは、「
働き方に裁量がなく、労働基準法上の『労働者』に当たります」と指摘する。