2015年は「自己資金で太陽光発電」をしてトクをする
2015年は電力会社から電気を買うより、自宅の屋根で太陽光発電したほうが電気代を節約できるかも??
自然エネルギー財団は昨年末、興味深い試算結果を発表した。それによると、今年の第二四半期に「家庭用太陽光発電の発電単価と家庭向け電気料金の平均単価が等しくなる」というのだ。
まずはグラフを見て欲しい(https://hbol.jp/?attachment_id=21671)。黄色の折れ線は家庭用太陽光発電の1キロワット時当たりの発電単価だ。20年間で1キロワット時の発電にいくらかかるかを示している。試算では2009年当初の50円から、5年間で20円も下がった。これはソーラーパネルの価格下落などが影響していると考えればよいだろう。
一方、家庭向け電気料金の平均単価は段階を分けてじりじり上昇。これは「主要には火力発電の燃料費が上昇していることと、稼動停止中の原発に運転管理費が継続してかかっている」(木村啓二・自然エネルギー財団上級研究員)ことによる。
家庭用太陽光発電は、余剰電力の売電で費用を回収する。現状では日中、太陽光で発電した自家消費分の電気は、電力会社から電気を買うよりも割高となっている。
しかしもし今後、グラフの通りに双方の価格が交差して家庭用太陽光発電の発電単価が家庭向け電気料金より安くなれば、日中の自家消費分の電気は電力会社の電気よりも安くなる。自然エネルギーの発電コストが既存の電力コストを下回るこの状況は「グリッド・パリティ」と呼ばれる。
つまり、太陽光発電単価と電気料金単価が逆転したあかつきには、屋根の上にソーラーパネルを載せる方が明らかにおトク、というわけだ。
ちなみに家庭用太陽光発電の発電単価は、設備利用率12%、利率3.2%などの条件で試算したものだ。木村研究員はこう説明する。
「もし自己資金(貯蓄)があるご家庭で、銀行からの融資を受けずに太陽光発電設備を設置できれば、金利負担分がない分、グラフで示す以上に発電単価は安くなります。言い換えれば、自己資金で設備を付けられる方は、太陽光発電の設置で得られる電気代の節約効果は、金利3.2%を上積みしたものとなります」
もっともこれはあくまで試算で、例えば今後火力発電の燃料費が安くなるなどすれば、条件は変わってくる可能性がある。賃貸住宅やマンションに暮らす人には、あまり関係のない話とも言える。しかし持ち家と貯蓄がある人は、ちょっと気に留めておいてもいい話題ではないだろうか。
<取材・文/斉藤円華>
家庭向け電気料金はじりじり上昇中
自己資金で設置すればさらにおトク?
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