首都圏の水が枯渇する!? コロナショックの陰で実は深刻だった「雪不足」
気象庁によると、昨年12月から今年2月の降雪量は全国的に平年に比べて少なく、北日本で44%、東日本が13%、西日本では6%だった。近年まれにみる暖冬の影響でGWあたりに水不足の影響が都市圏にも!?
例年に比べて暖かかった今年の冬。雪不足のため閉鎖するスキー場が相次ぎ、福島県の会津田島で暮らす高齢者から「生まれてこの方、市内に雪がない冬は初めて」と聞いた。また、雪室で熟成した雪中貯蔵酒が人気の猪苗代町にある「リカーショップうかわ」では、「今年は街中の雪だけでは賄いきれず、雪集めに苦労しました」と代表の宇川定氏。暖冬の影響は雪国に住む人々だけの問題ではない。
「日本の降水は梅雨期、台風期、降雪期に集中しており、それ以外の時期の雨はあまり多くありません。しかも、急峻な地形にある河川が多く、降った雨もすぐに海に流れていってしまう。このように、もともと水が足りない条件に加えて降雪が少ないとなると、使える水が相当少なくなります」
そう語るのは、全国の地理や地形に詳しい東京情報堂の中川寛子氏。日本の水源の大半は河川に頼っており、平均的な降雪量だった2010年、都市用水および農業用水の取水量の8割以上は河川水で賄われていたと中川氏は続ける。河川の水が減れば、その影響は多岐に及ぶだろう。
蛇口をひねれば水が出る国にいると忘れがちだが、’60年代以降の日本は何度も渇水に見舞われている。有名なのが1964年の「東京オリンピック渇水」だ。水ジャーナリストの橋本淳司氏は次のように語る。
「高度経済成長期に人口が増えて、産業も発達し、水の需要が伸びました。そこで先のオリンピックがあった年の8月は都市部で一日のおよそ半分に当たる45%の給水制限がありました。ちなみに給水制限とは水道から出る水の量を制限することで、河川から水を取るのを制限する取水制限より緊急性が高い措置と言えます。このときは自衛隊が給水車を出し、バケツを持って水を汲みに行く被災地で見られるような光景がありました」
新型コロナ禍で目立たないが、実はもう一つの危機が!
実は渇水不安を常に抱えている日本
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