創業者の慈善組織「アマンシオ・オルテガ基金」は米国ダラスとカナダトロントに高校留学生を送っていた。現在その数は600人。コロナウイルスが米国そしてカナダでも感染が拡大して行くことを懸念して今月2機をチャーターして全生徒を無料で帰国させることにした。と同時にその2機には140万枚のマスクも積んで帰国した。(参照:「
AS」、「
OK Diario」)
更にアマンシオ・オルテガの社会奉仕は続く。現在コロナウイルス感染者の治療看護にあたっている医師や看護師を感染から守るためのマスクから始まって医療装備品はつい最近から続々と中国からスペインにオルテガ基金が手配したチャーター便で送られて保健省に一括して寄贈されている。スペイン国王フェリペ6世もつい先日アマンシオ・オルテガに電話を通して感謝の意を伝えたという。(参照:「
ONDA CERO」)
またオルテガの長女サンドラも100万枚のマスクと防護服5000着を今月寄贈することになっている。彼女はオルテガの前妻との子供で、現妻の娘でインディテックスの後継者とされているマルタと同様に富豪の一人である。因みに、サンドラの資産は676億ユーロ(8兆円)とされている。(参照:「
La Vanguardia」)
アマンシオ・オルテガの2017年の寄贈で非常に顕著なのはスペイン全国の公立病院を対象にCT一体型リニアックを始め最新鋭のマモグラフィー装置やTACなどを寄贈したことである。その費用は3億2000万ユーロ(380億円)。
2012年から2014年は慈善組織カリタに4000万ユーロ(47億6000万円)を寄贈。同様に、スペイン食料備蓄連盟に協力し、その価値は400万ユーロ(4億7600万円)に相当するとされている。2016年にはZARAが誕生したガリシ地方の知的障碍者福祉協会に220万ユーロ(2億6200万円)を寄贈した。(参照:「
OK Diario」)
これまでのアマンシオ・オルテガの社会への貢献に対して「聞いてください」という呼び名の連盟は彼がスペインで最も栄誉あるアストゥリアス皇太子賞の平和部門で授与するように活動しており、すでに11万人の署名が集まっているという。
<文/白石和幸>