これが「ロックダウン」のリアル。記者が欧州で体験した想像以上にしんどい自宅軟禁生活、必要なのは「勇気を持って何もしない」
前回、は欧州各国を回っていた筆者が、突如国境封鎖という事態に遭遇し、タッチの差で拠点としてたポーランドの弟宅に戻れたところまで書いた。しかしそれは、その後の「ロックダウン」生活への序章だったのだ。
帰国が延期になったことで、日本でのスケジュールはすべてキャンセル。懐にも大打撃だが、いかんせん日本の知り合いからは「陸路で別な国に移動して戻ればいいんじゃないの?」と呑気な答えが返ってくる。
仮に移動したとしても、その間に別なフライトがキャンセルになることもありえれば、外国からの入国者は2週間の隔離措置となることもある。そもそも周辺の国々も軒並み国境を閉鎖しているのだから、ここから慌てて日本に戻ることはかなり難しい。
ともかく、こうして突然それまでの日々は一変した。まず街には出られないので、行ける場所といえば近所のスーパーか森ぐらい。その限られた場所も日に日に様子が変化していく。
大型スーパーでは店員がヘルメットのようなものを被ったり、レジにプラ製のバリケードをするように。小規模のスーパーではテープを貼ってレジに近づけないようにしたり、入口のドアを閉めて郵便受けを通して現金と商品のやり取りをするといった対策が取られていた。また、薬局などでは店内には一人しか入れないといった入場規制が行われていた。
近所のスーパーとともに、「唯一出歩ける場所」だった近所の森も、前日までは使えた遊具などにテープが貼られ、人が大勢集まりすぎないようにパトカーが停まって監視するようになった。そんななかでも、人々は多少なりとも心身をリフレッシュさせるべく、お互いの距離を開けながらジョギングやウォーキングに励んでいる。
これから日本でも導入されるであろう自宅待機についてだが、ハッキリ言って非常にストレスフルなので、覚悟したほうがいい。毎日同じ景色が続き、人に会えないというのは想像以上にしんどい。そんななかで、どれだけポジティブにいつつ、どれだけ我慢できるかというのが新型コロナウイルスとの戦いなのだ。
ヨーロッパでは戦時下に例える報道やコメントも多く見かけるが、異なる点は、銃声や爆撃音が聞こえないことだ。沈黙のままに危険が迫ってくるので、どうしても実感が湧きづらい。さらには、自分の身に直接的な影響がなくても、知らずに人を傷つけてしまいかねないというのも恐ろしい部分だ。
現在は製造業や運送といった自宅でできない仕事以外は基本的に在宅。そして日用品などは変わらず買うことができる。なので、「暮らし」は続けられるが、同時に死の危険が差し迫っているという非常にシュールな状況になっている。
いよいよ東京でも「不要不急の外出自粛」が小池百合子都知事より発表された。遅きに失している感は否めないが、具体的にどのような変化が起きるのか。すでに大規模なロックダウンが実施されているヨーロッパを例に、時系列で紹介する。
店内にバリケードや入店制限も
想像以上にストレスフルな外出禁止
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