タイから追い出される日本人が増加中!? 「外こもり」の聖地で何が起きているのか
長期間ダラダラと滞在する、「外こもり」の聖地タイ。日本人だけではなく、多くの外国人が訪れる人気観光地だが、タイを追い出される人が急増していた! 「外こもり」の聖地で何が起こっているのか。実情を追った。
タイは人々の気質がよく、常夏で過ごしやすいことから、移住先として世界中から注目されている。日本での人気も高く、外務省が’19年11月に公開した最新の「海外在留邦人数調査統計」によると、’18年10月時点で、7万5000人以上の日本人がタイで暮らしている。
だが、近年はタイを追い出される日本人が増えているという。このように書くと今のご時勢、新型コロナウイルスを思い浮かべる人が多いだろう。もちろん、タイ保健省も、日本や中国など計11カ国・地域からの入国者に自宅などで14日間の隔離を要請すると発表したが、インドのように、日本人に発行したビザを無効化する措置は取っていない。では、なぜ日本人が追い出されているのか?
「不法就労する外国人に対する取り締まりが、年々厳しくなっているからです」とは、タイに移住して約20年のライター・高田胤臣氏。
「以前は申請書一枚で観光ビザを取得できましたし、タイに隣接する国の国境を一度越えて、滞在期間をリセットして戻る“ビザラン”も容易だった。ですが、今はビザの申請にさまざまな書類を添付する必要があり、ビザランも規制されて難しくなっています」
近年のタイは、外国からの投資を優遇する制度の恩恵などを受けて経済成長が目まぐるしく、年々物価も上昇。各地でインフラの整備を進めるのが急務となっている。
「税収確保の目的のほかに、連携を深める東南アジアの中でイニシアチブを取りたいことから、タイで不法就労する不良外国人を一掃したいのではないでしょうか」
不良外国人の取り締まりが厳しくなったここ数年、高田氏の周囲でも、「タイを追い出された日本人が話題になる」そうだ。’18年の年末、タイを追われた山田宏昌さん(仮名・30代)は、「自分のように入国拒否される人が増えているのではないか」と重い口を開いた。
「タイで知り合った日本人に、150万円で飲食店の経営を継がないかと誘われました。経営は順調でしたが、2年たっても就労ビザが取れなくて……。一時帰国した後、タイに戻ろうとしたら、入国管理官に不法就労を疑われて入国拒否されました」(山田さん)
タイの法律に詳しい知人に、目をつけられると逮捕されるかもしれないと忠告された山田さんは、再入国を諦めてタイを去った。不法就労の外国人が減らない背景には、山田さんのように就労ビザが取りにくいという問題もあるが、
「誤解もある」と高田氏は言う。
「外こもり」の聖地に異変。不法滞在外国人の浄化作戦が進行中!
経済成長を受けて不良外国人一掃も進む
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