マスクはどこも品薄が続いている 写真/編集部
中国・武漢で発生した新型肺炎は、安倍政権による後手後手、そして「やってる感」だけの対応策のせいもあって、今や完全に「国内問題」になった。東京五輪の中止も叫ばれるなか、すでに日本経済は大打撃を受けている。
自転車や傘、衣料が不足し外食メニューは値上げに!?
新型肺炎の影響で、アパレル業界は大混乱だ。ユニクロを展開するファーストリテイリングは3月に発売予定だった新商品95品目のうち、一部を延期すると発表。オンワード樫山やダーバンなども、春夏物の供給に遅れが生じる可能性があるという(『朝日新聞』2月25日付)。アパレル業界紙『WWDジャパン』デスクの林芳樹氏は、生産体制の裏事情を話す。
「4月以降の春夏物の商品供給が遅れるのではという懸念が、業界で広がっている。日本で販売されている衣料品の7割は中国で生産されているが、さらに生地、糸、ボタン、ファスナーといった副資材もそれぞれ別々に生産されているので、ブランドの工場だけ稼働を再開しても、それらの一つでも生産が止まったままだと完成品を供給できないのです」
関連して、バッグや小物などの付録付き女性誌も影響を受けているという。
「3、4月発刊予定だったタイトルの付録が中国から来ず、付録なしでの発行になったんですが、それで売れるはずがない。社内は騒然としていますよ」(出版社の編集者)
また、都内の専門商社の社員も今後、品薄が予想される商品を次のように挙げる。
「新生活が始まる春先に自転車がまず品薄になる。日本で売られている自転車の85%は中国産で、1月から新車が入らない。また99%が中国で作られているビニール傘も同様で、梅雨シーズンに傘不足になるのは確実です」
さらにECサイトでガジェットを販売する店舗の運営者は言う。
「中国産の充電ケーブルや液晶防護シール、スマホケースなどは売れ筋で、利幅も大きかったのですが、2月に入ってから全く入荷がない状況です。手持ちの在庫を売り切ったら終わりです。アマゾンでもスマホ関連グッズは徐々に値上がりしていますよ」
一方、中国産のニンニクやタマネギなど輸入野菜も品薄気味。外食や冷凍食品などで、価格上昇を懸念する声もある。
「すでに1割ほどタマネギの価格は上がっていますが、これ以上になると価格を上げざるをえない。一般家庭の買い占めも始っているので心配です」(都内の和食店店主)
新型肺炎で、われわれの生活がいかに中国に依存しているかを思い知らされた格好だ。