いち早く「コロナ3法」を決めた文在寅政権。防疫から経済支援まで、その内容とは?

文在寅大統領

文在寅大統領(Avalon/時事通信フォト)

後手後手で対応策を「いまから考える」安倍政権

 2月29日、安倍晋三総理大臣が、新型コロナウィルス感染拡大に対し、全国の小中学校や高校等の臨時休校要請に至った経緯や今後の政府の対応について記者会見を行い、政府として、今後あらゆる手を尽くして対策を講じる旨の発言をした。  同会見ではまた、一刻も早い成立が必要だとして、新型コロナウィルスに関する新たな立法措置についても言及した。この立法措置については、3月2日の予算委員会の冒頭でも触れ、「あらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小化するため、緊急事態宣言の実施も含めて」の立法措置を早急に進めると述べた。  既存の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」でも十分にマネジメントできるはずだが、あくまでも「やってる感」の演出に執心していると批判する声も多く聞こえる安倍総理ならびに政府だが、どのような中身の法律を成立させるのか。国民的な関心が寄せられるところではある。  しかし、日本よりも新型コロナウィルスの感染被害が拡大している韓国では、一足早く関連法が議会で成立している。その内容はどうなっているのか--。

まずは防疫のための立法を急いだ韓国

 2月26日、韓国の議会(国会)では感染病に対する予防法、検疫法、医療法等の3件の改正案、いわゆる「コロナ3法」が成立した。この法律は基本的に、可能な限り感染拡大を抑え込むための、防疫の観点からの立法である。  感染病予防法では、感染病は「注意」以上の警報が発せられた時点で、社会福祉施設を利用する老人と児童にマスク等が速やかに配られるというもののほか、1級感染病の流行により、医薬品等の物価が急激に上昇したり、供給不足が発生したりした場合は、保健福祉部長官(大臣クラス)が公表した期間、マスクや消毒剤等の物品の輸出を禁止する事が出来るとした。また保健福祉部内の疫学専門家の人数を30人から100人に大幅に増員し、薬剤師や医療機関の人間が医薬品を処方する場合は、患者の海外渡航歴の確認も義務化した。  特に注目されたのは、保健福祉部の長官、または自治体の長が、1級感染症が発生した場合、感染の疑いがある人を自宅もしくは施設に隔離し、感染病症状について確認出来るようにした。入院や治療を拒否すれば、1年以下の懲役または1000万ウォン(約100万円)以下の罰金に処することが出来るようになった。改正前の法律では、隔離を拒否した場合、300万ウォン(約30万円)以下の罰金に過ぎず、強制的な隔離のためには実効性が乏しいとされていた。  検疫法では、感染病が流行した、また流行の憂慮がある地域から来た外国人や、その地域を経由した外国人の入国禁止を、保健福祉部の長官が、法務部の長官に要請出来るようにした。  医療法では、医療機関内の患者やその関係者、医療スタッフの健康維持のための国家的な監視体制を強化し、また医師が、感染が疑われる者を発見した場合は、速やかに保健当局に報告する事が義務化された。  議会で成立したこれらの法律は、政府に送られ、15日以内に大統領が公布する。一部の内容を除いては、公布後、即時発効される。  日本政府が想定する法律では、安倍総理自身が「新型インフルエンザ等対策特別措置法と同等の措置を講ずることが可能となるよう」と話しているが、この新型インフルエンザ等対策特別措置法も、感染拡大の抑止と経済対策の二本柱から成り立っている。  「感染拡大の抑止」という側面から言えば、韓国でも議論が集中した、国家的な医療体制の増強は勿論ではあるが、特に①感染者もしくは感染が疑われる者の隔離、②速やかな現状把握システムの構築、③マスクや消毒剤等の医療品を充足させる問題、の3点が大事なポイントであると思われる。
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「要請」だけでなく経済支援をしっかり打ち出す
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