IPAが発表した「情報セキュリティ10大脅威 2020」を振り返りつつ、防衛術を考える

脅迫や詐欺

 脅迫や詐欺については、「メールやSMS等を使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求」「偽警告によるインターネット詐欺」が該当する。  昔からよくある、アダルトサイト閲覧の料金請求などは、このジャンルになる。裁判を騙るメールや手紙なども、この類に含まれる。  最近では、少し毛色の変わった脅迫の手口も見た。Google AdScense や Youtube などといった、Webの収益化サービスを妨害することを宣言して、妨害されたくないなら金を寄越せというものだ(参照:GIGAZINE)。  インターネットでの収益化サービスを利用して、生計を立てる人が増えてきた。そうした人にとって、アカウント停止につながる攻撃は、死活問題だ。脅迫の手口としては有効だと言えるだろう。  今後、個人の経済活動の少なくない範囲が、ネットに移行するだろう。それに伴い、こうした脅迫の手口は増えていくと予想される。昔の個人は、ネットでの消費者だったが、今では経済活動の主体となっている。現時点でも、インフルエンサーへの攻撃など、水面下で多くの脅迫がおこなわれていることが想像できる。

ネット上の誹謗・中傷・デマ

 ネット上の誹謗・中傷・デマは、匿名で誰かを攻撃する卑劣な行為だと言える。被害を受ける人は、誰から攻撃されているか分からないまま、日々おびえて生きなければならない。また、ネットでの経済活動の多くが、評判を原資としたものであることから、誹謗・中傷・デマは、精神的ダメージだけでなく、経済的ダメージを伴うものとなる。  少し前に「ネットで誹謗中傷した人を発信者情報開示請求→裁判をして個人を特定し、和解した話」というのが話題になった。このケースのように、ネットの向こうと思っていた相手が、身近な人々だったという闇も存在する。  こうしたネット経由で匿名で攻撃をおこなっている人には、法でもって対処することになる。しかし、そうした対処に、警察がブレーキを掛けることが最近話題になった。  タレントの春名風花さんが、弁護士を通じて、刑事告訴の為の告訴状を神奈川県警察泉警察署に提出した。すると警察は、「うちはそういうのやってないから」と受け取りを拒否した(参照:春名風花さんのnote)。  この件は、ネットでも話題になり、弁護士ドットコムでも、解説の記事が掲載された。「大変なので、警察はネットの事件はとにかくやりたがらない」そうだ。
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増える機器の乗っ取り
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