インディテックスのライバルのひとつデシグアル(Desigual)の場合は、新型コロナウイルスによる影響はより深刻だ。何せ、50%の商品がこれまで中国での生産に依存して来たからである。しかも、隣国の日本は同社が最も販促で力を投入している市場である。
デシグアルのオーナートーマス・メイヤーによると、一部の商品は中国から空輸で発送させることを検討しているそうだ。新商品が店舗で欠けることを懸念しての対応だ。同様に生産拠点もトルコとモロッコそしてスペインに移すことも検討しているそうだ。これらの決定はすべて経済的インパクトによるとしている。(参照:「
La Vanguardia」)
同じくインディテックスのライバルマンゴー(Mango)も中国での生産が中心となっているが、他国への生産拠点の移動を進めている。マンゴーは1990年代の当初はZARAとよく比較されていた。当時はマンゴーの方が外国での店舗数はインディテックスのそれを上回っていた。尚、その多くがフランチャイズだった。
これらファストファッションの大手企業は問題ないが、中小規模のファッション企業は今回のコロナウイルスによる影響は深刻だ。他国に生産拠点を移すと言ってもまず資金面から始まって事態は容易ではない。
<文/白石和幸>