世界22ヶ国中、最も「仕事に自信がない」のは日本人。キャリアは「運次第」と消極的な傾向が浮き彫り
日本人は仕事に自信がなく、悲観的。
世界で6億7500万人が利用する世界最大のビジネス特化型SNS「リンクトイン」が2月上旬に発表した「仕事で実現したい機会に対する調査(Opportunity Index 2020)」で明らかとなった。
カナダ、アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国、シンガポールのほか22ヶ国に住む18~65才までの3万人以上を対象とした。「今後1年の経済への展望」「クオリティオブライフ(幸福度)」「成功するという自信」など7つの項目別に仕事への期待や自信の度合いを数値化。結果を国別・男女別・世代別で比較することで、世界の労働市場をより深く理解することを目的とした。
仕事の自信の基準得点を「100点」とした場合、日本は「仕事で実現したい機会」において80点と、22ヶ国中最下位だった。「自分は仕事で目標を達成できる」と前向きな気持ちを抱けず、仕事に対して最も悲観的で自信を持てない現状が浮き彫りになった。
一方でトップ3は「インド」(121点)、「インドネシア」(117点)、「中国」(116点)で、いずれも基準得点を上回った。
仕事への満足度が低いことの背景には、日本人の考え方があると考えられる。「人生で成功するためには、何が重要だと思いますか?」との質問に対しては、「一生懸命働く」が「日本」(72%)でも「世界平均(以下、世界)」(81%)でも共にトップだったものの、2位以降の回答には明確な差が生じた。
世界では「変化を喜んで許容すること」(80%)、「ふさわしい人々とのつながりやネットワーク」(76%)が上位に来たが、日本のみが「幸運」(66%)と答えている。日本人は仕事の成功を「運次第」と捉える傾向が強く、外的な要因に依存している。
続いて「良い生活において重要な要素」を質問すると、「良好な健康状態」が「日本」(52%)でも「世界」(49%)でもともに1位だった。2位以降を見ると日本では「精神的な豊かさ」(35%)や「安定した仕事」(26%)がランクインしたのに対し、世界では「経済的自立」(29%)や「愛情ある関係」(26%)が続いた。日本人は精神面の充実を、世界では経済力を求める傾向がある。
興味深いのが「愛情のある関係」の回答率だ。世界全体では3位に対し、日本では「愛情のある関係」は6位にとどまる。世界でもとりわけ欧米では20%以上が「子どもは幸福な生活に重要な要素」と答えたが、日本は12%にとどまる。日本人は人生において恋愛や子どもなど「愛情のある関係」を持つことよりも他の項目を重視しており、少子化の現状を映し出しているといえる。
仕事の成功は運頼み。外的な要因に依存する日本人
「子どもは幸福な生活に重要」の回答率が低く、少子化を反映
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