ライト層に受けるバー相席と、ガチ婚活層に受ける相席居酒屋
バータイプはより低価格化していくのに対し、相席タイプはむしろ客単価の高い店舗がどんどん増えている。よりラグジュアリーな空間にこだわった『FIX LOUNGE』や、おひとりさま同士をマッチングする『SINGLE』など、客単価が上がっても、満足度の高いサービスを提供するものも数を増やしている。バータイプは客単価を下げる代わりに回転率をアゲている感じがあって、実際に行ってみると客の入れ替わりも激しく、声をかけまくればそれなりの人数と知り合うことはできるが、安い分入店ハードルは低く、冷やかしやワンナイト目的の人も多い。
それに比べて相席タイプに集まる人たちは、1万円近い単価を毎回払ってでも「リピーター利用」する人が多いという。実際に相席に通う人たちも、店の中で二度目ましてが起こることも少なくはないようだ。実際に行ってみても、やはり高単価相席に通う人々は「結婚意欲」「交際意欲」が高い人が多い。同じく真剣な意欲の高い人を見つけるために、あえてハードルの高いラグジュアリーな相席を選んでいるようだ。
バータイプの出会い飲食店は相席サービスを店から強要されるものではないので、ストリートナンパに近いような空気感がある。こちらは結局自分からも行動しないと店内の異性と関われるわけではないので、コミュニケーションに自信がない人にはしんどいところがある。マッチングアプリのような一期一会の出会いを、一日に効率的にしたい人はバータイプ。街コンのように設定された相席環境の中で、しっかり個人と関わりたい人は相席タイプの店舗に行くべきだろう。
出会い飲食店は、恋活の形としては比較的手軽だ。街コンのようにイベントとして不定期開催されるわけではないので、行けばいつでも異性に出会えるので、困っている人は長く通うことになる。
出会い系飲食店ではその日その時によって出会える異性が違う。ざっくり分けるとバータイプには夜遊び好きな人たちが集まりやすく、相席タイプには少々クセがある恋活難民たちが集まりやすい。特に混むのはやっぱり金土だ。その時の自信の恋活への姿勢によって行く場所を変えればオーケーだ。
出会い系飲食店でしっかりカップルになっていく人たちは、相席飲食店の外でもしっかりコミュニケーションができる人たちだろう。その日のうちに場所を変えて飲み直し、連絡先を交換してすぐデート。出会いに貪欲な人が集まっているはずなので、ぼーっとしていると相手はすぐに次の人に行ってしまう。スピード感を持ってその人との関係を詰めることで、出会いの場に行く間もなく交際を始めよう。
その際、相手とのスタンスがズレすぎていないかどうかにも注意しよう。相手が恋活、自分は婚活、というようなスタンスのズレがあると関係がこじれやすい。いつでも出会える相席系飲食店に来る人は、何かしら今の生活にマンネリ感を感じている人だ。ピンとくる人がいたら猛アタックして、一緒にさっさと相席卒業することが大切。
<取材・文/ミクニシオリ>
1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携ったのち、2017年からライター・編集として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。