間違った科学的・心理学的知識を広めるタレントや知識人の「2つの弊害」

インチキ臭いインフルエンサー

kai / PIXTA(ピクスタ)

科学的・心理学的という言葉を多用するインフルエンサーの不都合な真実<5>

 こんにちは。微表情研究家の清水建二です。  科学的・心理学的という言葉を多用するインフルエンサーの不都合な真実シリーズ最終回の今回は、Youtuber・知識人タレント・その他エンターティナー編をお送り致します。こうした方々は、インフルエンサーという言葉に最も適合する方々だと思います。 Youtuber・知識人タレント・その他エンターティナーの方々が活躍する舞台は、主にTV・ラジオあるいはネットです。TV・ラジオやネット媒体で科学的・心理学的という言葉を多用しているインフルエンサーの中には、視聴者に誤解を与えるような科学知見の使い方をしている人々が多々見受けられます。それはどんなインフルエンサーでしょうか。

科学をエンタメ化するインフルエンサー

 最近、コンプライアンスの関係もあってか、科学・心理学という言葉を用いて自説を述べるインフルエンサーのTV・動画画面のテロップやチャンネル・Webページの説明欄には、「これはあくまでも個人の見解です」「正確なことは専門家にご相談下さい」「台本があり、あくまでもネタとして楽しんで下さい」「エンターティメントです」などの記述があります。  場合によっては、小さく書かれているので気付かれない方も多いかも知れません。  気付かれないくらい小さく書かれていることも問題ですが、それよりも大きな問題は、「科学・心理学的に○○だ」と言いながら、「個人見解・ネタ・エンタメです」と注意書きすることです。これは反則です。  科学というものは、実験の条件と同じ材料と方法を揃えれば、誰もが同じゴールに行きつく、誰もが同じ結果を導けるという性質を持ちます。したがって、科学・心理学という言葉を使った瞬間、個人的な経験則を超えた広く通じる見解・知見になります。つまり、その知見は、そのインフルエンサーでなくても、誰にでも使えるものだということになります。 「難解な科学をわかりやすく楽しく紹介する。だから科学をエンタメ化しているんだ」というメッセージを持ったインフルエンサーがいます。  大枠としては私も賛成です。私も似たような志向を持って、科学をビジネスに実装する方法を試行錯誤し、皆さんにお伝えしています。その過程で科学の厳密な定義や条件を緩和・省略することはあります。  ただし、科学知見の大筋は変えることなく、お伝えするようにしています。しかし、広告から利益を得ることが最大目標のインフルエンサーは、単に自己の主張を際立たせるために、エンタメという名を隠れ蓑に科学的・心理学的という言葉を乱用しているように思えます。
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レコメンド機能によって抜け出せなくなるインフルエンサーの呪縛
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