四半世紀の時を経て、新聞系サイトが英数字の表記を半角へ

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Flatpit / PIXTA(ピクスタ)

新聞系サイトが、英数字の表記を半角へ

 1月末に、朝日新聞デジタルが、英数字を全角から半角に変えるという話題が流れてきた(参照:ねとらぼ)。私はこの話題について、書かなければならない理由があったので、この記事を書いている。  朝日新聞デジタルでは、2020年1月14日から、記事内の英数字を半角に変更した。こうした変更は、2019年の春頃に、神戸新聞 NEXT でも実施されて話題になった。同紙では、なぜ全角表記になっているかの記事を掲載した。その1ヶ月ほどあと、半角へと移行したことを知らせる記事を公開した。  新聞系のWebサイトは、元々Webからスタートしたわけではない。紙の新聞がまずあり、そこからWebサイトに記事を転載するようになった。縦書きで書いていた記事を、横書きのメディアにも掲載し始めたのがスタートである。そのため、縦書きの原稿の慣習をそのまま引きずっていた。  一手間かければ半角に変換できるものの、その一手間はコストになる。上記の神戸新聞 NEXTでも、その手間について触れている。自動変換するにしても、エラーがないかの最終チェックは人の目でおこなわないと危険だ。  Web系のメディアの中には、間違いが見つかればあとで修正すればよいという方針のところもあるだろう。しかし、信頼を重視する新聞系サイトでは、そのやり方を躊躇するのも分かる。その結果、なかなか踏み出せずに、長い時間全角表記が続いたのだろう。

縦書きと横書き、英数字の表記の問題

 縦書きで英数字を表記するのは、なかなか難しい問題だ。私も小説を縦書きで書くので、どう表記するか頭を悩ませる。  英語の単語については、カタカナ表記があるならカタカナを選ぶ。短い単語なら、全角表記を利用する。しかし、長い単語やフレーズになると、そうもいかない。半角にして、横向き表記にする。そうした表記を使う場合、短い単語も同じようにするかという問題に直面する。  数字については、漢字で書ける場合は漢字で書く。しかし、年の表記は、二〇二〇年のように、「〇(ゼロ)」を混ぜた表記になる。月日は十月二十日のようにゼロが入らない。冷静に考えると統一感がなく、おかしな表記なのだが慣習としてそうなっている。  このような数字の縦書き表記だが、小数点が入ると途端に破綻する。10・3%のように、全角アラビア数字に中黒を使う表記となる。年月日とともに並ぶと、同じ数字なのに様々な表記が混在することになる。  縦書きと英数字は相性が悪い。日本の新聞や小説が横書きならば、こうした苦労はない。しかし、日本語はもともと縦書きで書かれていた。その慣習がそのまま引き継がれて、横書きの言語と混在したために、こうしたことが起きている。  また、こうした現象が生じたのは、日本語が、名詞の変化がない言語なのも影響している。そうした特質を持つために、日本語では外来語をそのまま名詞として文中に放り込むことができる。  文章の中に、英語やドイツ語の単語が出てきても、そのまま文を書ける。翻訳することなく、文章中に入れることができる。そのため、英語の単語を縦書きで入れるという、アクロバティックな表記が登場することになった。  グローバル化、インターネット化を経て、外来語を翻訳せずに、そのまま使う機会が増えた。そのことにより、新聞などの文章中にも、英単語を直接表記することが増えた。また、URLなどのように翻訳不能な英数字の羅列も増加した。  縦書きの英数字表記は徐々に増え、扱いに困るようになった。そして縦書きの原稿を、ネットに横書き掲載するようになった。紆余曲折を経て、「そのままの半角表記でいいんじゃない?」という時代に突入したのだと思う。
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筆者がことさら感慨深くこのニュースを見た理由は……
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