オリンピック特需の影響が目立った今年のランキングだが、その他の点についても紹介したい。
買って住みたい街では、3位三鷹(27アップ)、8位町田(12アップ)、9位二子玉川(24アップ)が勝どきと東京以外で大きく順位を伸ばしてベスト10に入っている。また、昨年より順位を落したものの、6位八王子(4ダウン)と7位浦和(1ダウン)も都心以外で人気を維持するエリアとなっている。
今年順位をあげたエリア、昨年から引き続いて人気のエリア共に、交通の利便性がよく生活もしやすい場所という特徴を持っている。また、借りて住みたい街においても同様の傾向が見られる。
2位葛西(3アップ)、4位本厚木(7アップ)、5位大宮(2アップ)の3つが順位をあげてベスト5に入ってきたが、これらも利便性もしくは生活環境が良いエリアだ。昨年より順位を落したものの3位の川崎(1ダウン)も同様の傾向を持つエリアと言えるだろう。
買って住みたい街ほどでないにせよ、借りて住みたい街も順位の入れ替わりが活発であり、逆説的に4年連続で1位となっている池袋の強さが際立つ。どこに住むか迷ったらとりあえずは池袋周辺を見てみるというのは、ひとつの手かもしれない。
現状においてはまだ大きな変化とは言えないが、郊外の人気の高まりも今年の見逃せないポイントだろう。
買って住みたい街では17位「印西牧の原」(千葉県印西市)(11アップ)、26位「八街」(千葉県八街市)(44アップ)、28位「大網」(千葉県大網白里市)(15アップ)などのいわゆる郊外と言われるようなエリアも大きく順位をあげている。都心近郊は物価が高止まりしており、簡単には手を出せない。より安価に自然環境の中でのびのびと暮らせる場所が人気を集めているようだ。
また、郊外の再注目にはテレワークや時短勤務などの働き方改革もこの傾向を後押ししていると分析されている。郊外に住む大きなネックとして通勤や通学の負担を考える人は少なくないだろう。この負担が緩和されていけば、今よりもさらに需要が高まっていくかもしれない。
オリンピックや働き方改革の影響で変化する住みたい場所の人気。今後どのような変化が現れるのかも注目したい。
<文/菅谷圭祐>