侵入即発砲で3人が死亡。凶悪犯罪にも慣れたタイ人を震撼させた「金行強盗」。犯人はなんと教師で2度衝撃

犯行数日前に下見していた用意周到な犯人

 報道では、犯行の数日前に金行に妻と訪れている様子が防犯カメラに映っていたとされる。犯行に妻は一切関わっていないようだが、犯人自身は何気なくを装って下見していたようだ。  現状は取り調べを受けている最中のため、動機など詳細はわかっていない。サプレッサーがもし本物であるなら、どのように入手したのか、また射撃はどこで習っていたのか、なによりもなぜ金行を襲い、発砲をする必要があったのかなど、知りたいことは山ほどある。  金行は前述の通り、資産運用や保全の対象だったが、今はあまり好まれなくなっている。金相場が高値であることや、金製品は主にアクセサリーで売買するので、デザインや金製品の色合いそのものがダサいと言われるようになってしまった。  それでも、盗んだのちに裏ルートを持っていれば売却できる。金行はそういった盗難による不正売買を防ぐために製品の裏に各金行オリジナルのロゴを刻印している。しかし、溶かしてしまえばわからなくなるので、完ぺきな防犯方法とも言いがたい。  また、商業施設の金行を狙った点についても、犯人は現状をよく調べていたと思う。元々金行はバンコクの中華街が発祥で、路面に店舗があった。今も中華街やほかの地域に路面店はたくさんあり、そこでは武装した守衛が雇われているケースが多い。主に非番の警察官がバイトで働いているのだが、それくらい金行が強盗対策をしている。
バンコク中華街にある路面に面した金行

バンコク中華街にある路面に面した金行の一例。こういう店舗は武装した守衛を雇っていることもある

 しかし、商業施設では非番の警官といえども拳銃を持って立つことは難しい。なにより、人の目がたくさんあるので、強盗に襲われる心配がほとんどない、というのがこれまでの常識だった。犯人はそこを突いて襲っていると見られる。死亡した被害者のひとりは商業施設の守衛で、逃走を阻止しようと自動ドアを操作しているところを射殺されてしまった。この守衛も拳銃は持っていなかったはずだ。だから、応戦するにはドアを閉めるしかできなかったのだろう。  先日バンコクで日本人が襲われ、在住日本人の多くが改めてタイは治安が悪いところだと再認識したが、この事件はタイ人にそう再認識させることになりそうだ。 <取材・文・写真/高田胤臣>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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