小さな工夫の積み重ねで物件の収益性は大きく向上する。水田氏が特におすすめするゲストが喜ぶおもてなしのテクニックとは?
●コンシェルジュサービスを実践
低価格高品質の日本製品の購入を希望されるゲストも多いため、欲しいものをリサーチし、案内することは大きな付加価値に
●子供連れも安心の清潔感は不可欠
高単価の一軒家を利用するゲストは子供連れの家族が多い。小さな子供がいても安心できるレベルの清潔感を常に保つことでゲストからの信頼を獲得する
●家族の事情に応じて外食先の提案を行う
子供連れだと悩みの種になるのが外食先。子供が自由に遊び回っても周囲の迷惑にならない個室や子供向けメニューがある飲食店の情報は希少価値が高い
●記念日や誕生日にはプチギフトを用意
宿泊中のゲストが記念日や誕生日を迎えた際にはプレゼントを用意。数百円で買えるお菓子であってもゲストとの関係性が一気に深まる
●ペット連れにも親身に対応する
海外の富裕層の中にはペットとともに旅行を楽しむ人も。対応している民泊物件は限られるため、大きな付加価値となり、強気な価格設定も可能に
合法民泊には、いま以下の3つの形態がある。現実的な選択肢として水田氏が選ぶのは「簡易宿所」である。その理由は以下の通りだ。
●民泊新法
住宅宿泊事業法(民泊新法)により、届け出をすれば旅館業法上の簡易宿所の許可がなくても民泊営業することができる。ただし、営業は年180日が上限であり、自治体が条例で規制を上乗せできるため、地域によってはさらに厳しい条件が付されていることもある
●特区民泊
国家戦略特区で指定された地域に限り、営業できる特別な民泊制度。特区では滞在が2泊以上などの規定はあるものの、旅館業法の許可なく365日営業できる。現在、東京都大田区や大阪府、千葉県千葉市、福岡県北九州市、新潟県新潟市などが指定を受けている
●簡易宿所(←水田氏のおすすめ)
特区民泊以外の地域でも365日フル稼働ができる。賃貸物件でも可能だが、用途地域の制限や消防設備、トイレ数などに規定がある。「初期の手間はかかりますが、収益性が格段に高まります。民泊を長く続けていくなら早めの許可取得を目指しましょう」(水田氏)
水田佳苗氏
【高収益民泊アドバイザー水田佳苗氏】
’82年、京都府生まれ。広告代理店、外資系企業を経て、’14年より民泊事業を開始。「高収益民泊」を指導するスクールも手がける。著書に『
高収益民泊の教科書』がある
取材・文/週刊SPA!編集部