日本の歯医者は時代遅れ! タイで歯科治療したら日本の歯医者には二度と行きたくなくなった件

顕微鏡使用によりノーペイン、ノーストレス

 第二に「顕微鏡」である。俗にいう歯の中の神経が通っている部分を「歯髄」と呼ぶ。RCTが必要になるのは、この歯髄に感染が広がる場合である。  その際に感染部分を取り除く必要があり、例の「針のようなものを突き刺してチクチクする」のはこのときである。歯髄の枝分かれのしかたは個人差があり、それを全て肉眼で見分けられるはずがない。  そこで必要になるのが顕微鏡である。顕微鏡により、正確に歯髄の形を見分け、感染部分とそうでない部分を切り分ける。日本のように、顕微鏡を使わないRCTなど本来あってはならないのだ。  日本人は手先が器用というが、あんな肉眼で見えない小さい穴の中を手先だけでどうこうできるはずがない。顕微鏡を使わないから痛い部分をつつくことになり、取り残しが出て、それが要再治療の原因となるわけだ。  顕微鏡が導入されない理由は簡単で、お馴染みの「保険適用ではない」からだ。  顕微鏡を使用するとどうなるか。RCTの施術中、ずっと寝ていられる。痛みは一切ない。日本でRCTをやった人なら誰でも、いつ次の痛みがくるのかびくびくし続け、寝るなどもってのほかだったはずだ。  長期間痛い思いをした上に不完全な治療がいいか、一週間内に二回の通院で寝ている間に完全な治療が終わるか、どちらがいいだろうか。  第三に、これは写真を一目見ただけではわかりようがないが、写真の担当医は単なる歯科医ではなく”RCT専門医“である。つまり、彼女は虫歯治療や親知らずの抜歯、入れ歯作成その他諸々の治療は一切行わず、RCTのみに特化している。  ほかの診療なら「内科」「泌尿器科」「呼吸器科」などと分かれているのが当たり前だろう(註:筆者に言わせればなぜ”手の指専門の整形外科“と”腰専門の整形外科“が分かれていないのか未だに不思議だが本題と外れるので割愛)。  RCT専門医がRCTばかりやっていれば上手くなるのは当然である。日本の歯科医は「何でも屋」にならざるをえないから数々の矛盾を引き起こしているのだ。

治療費は、タイも日本も実はそんなに変わらない

 第四に、RCTに限らず筆者一同が通うタイの歯科においては全て個室で治療が行われるということだ。  もう一度強調するが、口の中は不潔である。どこの病院に行っても、虫垂炎のとき同じ手術室で三人同時に開腹することはないだろう。  なぜ歯科なら同じ部屋で三人同時治療してもいいのか。そんな常識以下のことが今もまかり通っているのが21世紀日本の実態である。今までHIVをはじめ院内感染がおきていなかったのが不思議である。  第五に、時間である。日本のRCTで何度も通わされる理由は簡単で、短時間で人数をこなさないと保険点数を稼げないからだ。タイの場合、通院は一週間で二回、集中してやってくれる。一度の治療時間は二時間近くに及ぶ。だから二回で全てが終わってしまうのだ。  気になる値段だが、HPに明示されている。前歯なら9000バーツ、奥歯15000バーツである。現在の1バーツ3.6円のレートで計算すると、それぞれ32400円、54000円である。  一見高く見えるが、週に一度二千円、半年間払い続けるとすると、2000×24で48000円、実は大して変わらないのである。かたや無痛で一週間弱、もう片方は「有痛」「不潔」「下手くそ」「再発あり」で半年間、どちらがいいかもはや議論の余地は全くない。  もはや、日本の保険証でまともな歯科治療を受けることは不可能である。安すぎるゆえに制度疲労が起きてしまっている。次回から、筆者自身とこの写真の女性の治療歴に基づいて、どれほど日本とタイで格差が起きているのか詳述していきたい。 <取材・文/タカ大丸>
 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。
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