清十郎 / PIXTA(ピクスタ)
2018年2月1日に改正された遊技機規則により、2021年2月1日までには、検定期間の残る一部遊技機以外の旧規則機をすべて撤去しなくてはならない。
パチンコ、パチスロを合わせ、全国のパチンコ店に設置されている台数は約400万台。その内の約300万台がいまだ旧規則機と言われており、この1年間パチンコ店は、大量の資金を投下し遊技機の入れ替えをしなくてはならない。
そのような状況下において、パチンコ業界内でにわかに話題になりだしたのが「東京オリンピックの話」である。パチンコとオリンピックに、何の関係があるのか――
パチンコ業界の大きな懸念の一つが、オリンピックやパラリンピックの開催期間中に、遊技機の入れ替えが出来るのかということ。いわゆる「新台入替」のことである。国際的なイベントや行事がある際には、その規模や期間によって、業界全体または地域限定で「入替自粛」を行うのだ。
なぜ国際的なイベントや行事があると、パチンコ遊技機の入れ替えが出来なくなるのか。
それは、パチンコ店が風営法に基づく営業をしており、店内の遊技機等を入れ替える場合は、いちいち地元の警察署に申請書類を提出し、警察担当官の検査を受けなくてはならないと決まっているからだ。
国際的なイベントや行事があれば、警察からは大々的に警備人員が割かれることになり、警察署における通常業務の人手が薄くなる。そのような警察行政の事情を踏まえて、警察行政に協力をするという名目で遊技機の入れ替えを自粛するのだ。
この入替自粛の始まりは、2000年の九州・沖縄サミットの時であり、その後、2002年日韓共催のサッカーワールドカップの時、2008年洞爺湖サミット、2010年APEC、2016年伊勢志摩サミット、直近でいえば、2019年に開催された大阪サミット時に入替自粛を実施している。
2020年の東京オリンピックは、過去のこのような国際的な行事にも引けを取らない、いやそれ以上とも言えるイベントである。
パチンコ業界が、通例的な対応をするのならば、入替の自粛は不可避な事案である。しかし、冒頭の問題である。この1年以内に300万台とも言われる旧規則機の撤去。もし繁忙期でもある夏場に入替自粛が行われれば、遊技機入替の年間計画に支障が出る。
入替自粛はあるのか、無いのか。業界内ではその話題で持ちきりだ。