東大教養課程を修めれば「ヘイト」しない? 東大の「教養過程」はそんなにスゴいものなのか?

東京大学

Dotstik via Pixabay

東大特任准教授ヘイト発言を嗜める言説の中で引っかかった違和感

 昨年末に、とある東大特任准教授が「弊社では中国人を採用しない。パフォーマンスが低すぎる」とツィートし、事実上の追放処分となった。これだけあからさまに人種差別を行い、反省の色も見られないわけで、当然である。  本当に中国人が優秀でないなら、ファーウェイやハイアールがこれほど全世界で勢力を拡大できるはずがない。米国があれほどファーウェイ排除に執心していること自体が、逆に言えば優秀さの証明でもある。  筆者宅の洗濯機は中古のハイアールだが、民泊事業を行っているためシーツの交換や宿泊客の使用も重なり、比喩でも何でもなく一般家庭より十倍は酷使している。5〜6年は経っているはずだが何も問題ない。例の特任准教授は、根本的な事実認識にまず問題があるということだ。  その一方で、東京大学大学院准教授の伊東乾氏から次のような声明が出された。  「この青年の受けてきた教育で、一点、明らかに欠如しているのは『教養課程』と思われます。少なくとも東京大学教養学部で必修の『情報』のカリキュラムを修めたなら……ここまで酷い無教養を晒すことはなかったと思います」(”東大発「ヘイト書き込み」への心からのお詫び 教養の欠如、人材育成の偏りへの大反省”|JBpress※リンク切れ) この論法からいけば、地方の最底辺極貧崩壊家庭の出身で「高卒」の筆者など無教養のサルそのものということになるが、ここで気になるのは「東大教養課程」である。一体何を教え、その後の人生にどのような影響を与えるものなのか。実際に受けた人に話を聞いてみることにした。  株式会社オトバンクは、オーディオブック制作・配信サービスを主に手掛ける企業である。筆者が訳した「ジョコビッチの生まれ変わる食事」も同社のオーディオブック一覧に加わっている。

東京大学出身で、株式会社オトバンク代表の久保田裕也氏に東大の教養過程について聞いた

東大教養過程のカテゴリはこう分けられる

 同社の久保田裕也社長は東大出身である。余談だが、二十代の頃不摂生で太り過ぎたことがきっかけで始めたマラソンは、今や2時間40分台を記録するようになった。それもあり同社には久保田メソッドで一度陸上界本流からダメ出しされたランナーを再生する陸上部プロジェクトも始まり、須河沙央理選手が延岡西日本マラソンで優勝するなど、確実な成果を上げている。  以下は久保田氏が約20年前に受けた「教養課程」の話であり、今とは多少形が変わっている部分もあると思われるが、雰囲気はつかめると思うので紹介することとしたい。  「大学一年で入りますよね。そうすると、第二言語の選択でクラス分けされます。中国語・ドイツ語・スペイン語・フランス語から選ぶという感じですね。韓国語はあったのかな……あったとしても一クラスとかで、あんまり印象にないです。大体文I/IIと文三、理Iと理Ⅱ/Ⅲと四カテゴリーに分けた上で一組から二十数組まで分かれ、一組40〜50人位でしたね」  まずは第二外国語によってクラス分けされていることがわかる。 「たとえばドイツ語を選んだ場合、ディクテーションなどを含む基礎で二コマ、会話で一コマ、それから英語で一コマで、外国語で合計四コマが必要でした」
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とにかく、科目数が多い東大教養過程
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