「男のために脱いでいるわけじゃない」。石川優実が語るヌード、フェミニズム映画の構想

フェミニズムをテーマにした映画を撮りたい

 他にもフェミニズムをテーマにした映画のプロデュースや出演を考えるなど、表現活動で追求したいことは多い。 「まだ企画にもなっていない段階なんですが、フェミニズムをテーマにした映画、あんまり邦画にない印象があるのですが、海外だと『私はフェミニストライター』ということを主人公が言っていたりして、でも日本にはそういうのはあんまりないんじゃないかな、というのがあって。  私が初めて主演させていただいたのが『女の穴』という映画で、その監督が吉田浩太さんという方なんですが、彼の作る映画ってすごくフェミニズム的だと自分は思っていて、でもテーマがエロなので、宣伝する場合に、男性向けにカテゴライズされてしまう。 石川優実さん でも監督本人は女性に見てほしいと思っている。実際に映画を見た方からの感想も女性からのものが多いんですが、なのに、宣伝では女優の初脱ぎが引きになってしまうようなものになっていて、ズレを感じるんですね。今私がフェミニストになって、吉田監督と組んで、エロをテーマにしたフェミニズムの映画を作りたい、という話をしていて。私はプロデュースをして、で、そして出演もしたいという話をしています」

「女優であり運動家でもある」

 フェミニズム的な視点を持って活動することの「かっこよさ」は訴えたいという石川さん。自分は「女優でありまたアクティビスト(運動家)だ」と言う。 「社会運動をしたり、フェミニズム的な視点を持って活動することが、もっとかっこいいこととして捉えられていったらいいなと思います。そういう活動をしている方は私から見てもかっこいいですから。  ただ、聞かれることがあるんですが、『女優なの? アクティビストなの?』って。でも、それって「どっちもでいいじゃん」と思うんですね。どちらでもいいのに、どちらか一つにしたがる。あとは運動か政治か、という選択を迫られることも。でも、社会を変えるためには政治家にならなきゃいけないわけでもないし。これって自分と政治が関係ない、と思う人が多いからそういう問い方になるんじゃないかと思うんです。  自分としては、アクティビストと呼ばれることは嬉しいんですが、ただそれも表現活動の一つ、というようにも思っていて。今後なんですが、映画も作っていきたいし、女優としての活動もしていきたいですし、#KuTooもそういう感じなんですよ。自分の表現活動の中の一つがたまたま#KuTooだった、というだけで、どちらかを優先する、ということじゃなくて、どちらもできたらいいな、と思っています。表現活動が社会のためになったら最高だ、というような感覚ですね」 <取材・文/福田慶太>
フリーの編集・ライター。編集した書籍に『夢みる名古屋』(現代書館)、『乙女たちが愛した抒情画家 蕗谷虹児』(新評論)、『α崩壊 現代アートはいかに原爆の記憶を表現しうるか』(現代書館)、『原子力都市』(以文社)などがある。
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