いつになく接戦になりそうな選挙にテンパっているのかもしれませんが、門川大作陣営の戦略ミスが目立っています。
なんてったって京都という所は、嫌いな人に「嫌い」と直接言うような文化ではありません。大阪だったら「オマエのことめっちゃ嫌いやねん!」でいいかもしれませんが、京都の場合は「オマエ、そろそろ帰れよ!」をお茶漬けで示すぐらいなので、露骨に「共産党嫌い」と言っているに等しい広告を出した門川大作さんは、とってもお下品なのです。
選挙というのは、いつどんなことで風が一変するか分かりません。小池百合子さんが希望の党を立ち上げた時も「排除します」の一言で、一気に逆風に変わってしまったように、「共産党の市長は『NO』」という広告は、共産党のことを好きでも嫌いでもない無党派層を刺激し、風を吹かせてしまう可能性すらあります。
今回の京都市長選は、いつになく盛り上がっており、外国人観光客が殺到し過ぎて市民の日常生活に影響を及ぼしているオーバーツーリズム問題、世界文化遺産である「仁和寺」の真ん前に高級ホテルを建設する問題など、京都市民にとって、けっして小さくないはずの争点がある選挙となっています。まさに3期12年の市政運営が問われている中で、反共をこじらせた広告を載せたばかりか、無許可で賛同人を載せてしまうミス。あえてブレーキをかけることで、より京都市長選を盛り上げようという演出でしょうか。2月2日の京都市長選から目が離せません。
ちなみに、福山陣営はこの広告のあと、1月30日の京都新聞に『大切な京都だからすべての市民の声を聴く市長に「YES」』とした全面広告を掲載しました。なかなか気の利いた返しだと思います。