選択制夫婦別姓の「嫌なら結婚するな」野次。外国人からは「議員の仕事を放棄してる」の声

家族の持つ意味あいとは

 では、選択制夫婦別姓そのものについては、どのように思っているのだろうか? 「単純に当事者が好きにすればいいと思います。同姓であるべきだと思うなら、そうすればいいだけの話です。赤の他人が別姓を選ぶことで、どんな不都合があるのかと聞きたいですね。日本では特に親戚など“周りの目”があるのかもしれませんが、それは当事者もよくわかっているはずです。そのうえで別姓を選ぶのだったら、それ以上言えることはないのでは? 他人がより権利を得られるのをどうしても止めようとする神経がわかりません」(アメリカ人・38歳・男性)  とかく「村社会」と言われがちな日本では、夫婦を取り巻く地域や環境によって姓をどれだけ重視するかにも差がありそうだが……。 「親戚づきあいに支障が出るのかもしれませんが、家族であればなおさらサポートするべきじゃないでしょうか? 苗字を変えることで家族から『出る』『入る』という考え方にも違和感を感じます。そんなところで家族かそうでないかをジャッジするような人は、それ以外にもいろいろ注文がありそう。別な形で難癖をつけてくるんじゃない?」(フランス人・35歳・男性)

精神論に転嫁するなの声も

 選択制夫婦別姓については、出生率などに関係してくるのではないかという議論もあるが、それに対しても懐疑的だ。 「苗字が同じかどうかで子どもを作りたくなるかどうかが変わるなんて馬鹿げてます。社会や政府のサポート、女性の就業率や夫婦の経済状況のほうがどう考えたって重要でしょう。より現実的な問題を放置したまま、精神論で姓に責任転嫁するなんて、『あんたたち議員はなんのためにいるの?』と聞きたくなりますよ」(ポーランド人・女性・29歳)  ともあれ、冒頭でも紹介したように、「嫌なら結婚するな」では、議論にすらならない。選択制夫婦別姓を考える以前に野次を飛ばした当人には、議員の仕事がなんなのかというところから考え直してほしいものだ。 <取材・文/林 泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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