新生活の部屋探し。プロが教える、気をつけたい”残念な”不動産仲介会社の見分け方

そのお金、本当に払う必要ある?

 お金のトラブルにも気をつける必要がある。不当な費用を請求されるおそれがあるためだ。安孫子さんは、「本当は鍵を交換していないのに、鍵交換代としてお客様に費用を請求する業者もあると聞いたことがあります」と注意を促す。  ドアの種類にもよるが、鍵交換にかかる費用は1万5千円〜2万円ほど。引っ越し時には初期費用を抑えたいので、なかなかの出費になる。そもそも、鍵を交換していないのに交換代を請求するのは詐欺だ。 「お金を騙し取られるわけですから許しがたい行為です。でもそれ以上に、セキュリティ面の不安が強いのが一番の問題です。前入居者や仲介業者に合鍵をつくられ、侵入されるリスクもあります。仲介業者の対応に違和感を覚えたら、鍵交換の履歴を記した書類を請求し、本当に交換されたかどうかを確かめるのも手です」

変だと思ったら、「その場を離れる」

 最後に安孫子さんは、気をつけるべき仲介業者の特徴を次のようにまとめてくれた。 ・事前準備が悪すぎる ・話しを聞かずに担当者の意見を通す ・店内の掃除が行き届いていない ・挨拶ができない、連絡が異常に遅いなど礼儀面に問題がある  安孫子さんが挙げた四つの項目を見ると、不動産業に限らずビジネスパーソンとして基本的なマナーが守れない業者が「残念」と言えそうだ。  残念な仲介業者に当たってしまったら、どう対応するのが良いのか。安孫子さんは「とにかく速やかにその場を立ち去るのがよいです」と強調する。 「店舗で案内を受けているなら、急な予定が入ったのでひとまず帰りますと伝えましょう。その後担当者から電話が来たら、物件が決まりましたと言えばOKです。 実際には良い対応をする仲介業者はたくさんあるので、たまたま自分には合わなかったくらいに思い、気持ちを切り替えることがよい結果につながると思います」 <取材・文/薗部雄一> <取材協力/安孫子友紀>
1歳の男の子を持つパパライター。妻の産後うつをきっかけに働き方を見直し、子育てや働き方をテーマにした記事を多数書いている。
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