今そこにある「ネット終活」。死後のデータをどうするか? 3大webサービスの事例から考える

法要

SA555ND / PIXTA(ピクスタ)

「ネット終活」を真剣に考える時代到来

 私自身は、ネットの情報は長くアーカイブされて欲しいと思っている。しかし個人が、ネットに記録した情報を死後にどうするかは自由である。データを削除しても、それは仕方がないことだ。  自身についての情報をどう扱うかは個人の自由だ。自身に付随する情報の扱いを決めるのは、その人が持つ当然の権利だろう。  死後に自分の情報をどうするか。新年ではあるが、そうしたネット終活の話をしたい。  インターネットが一般の人に広まり始めたのは、1995年、Windows 95 の頃だ。今は2020年になり25年が経過した。当時パソコンを気軽に買える経済力があった35歳の人は、現在60歳になっている。ネットを長年利用し続けた人が、ぽつぽつと鬼籍に入る時期といえる。  ネット時代以前は、遺品の多くは自宅にあった。そのため遺族が部屋を探せば、故人の所有物のほとんどを把握できた。ネット時代になり、故人の残したものの多くが情報になった。それらの置き場所は、自宅ではなくネットに変わった。  現代の人々が利用しているサービスのほとんどはネット上にある。そこにアクセスするためには、アカウント名とパスワードが必要だ。それらを記憶した人が消えれば、誰もアクセスできなくなる。持ち主のいないアカウントが、ネット上に残り続けることになる。  死後に情報を削除あるいは維持したい。そうした選択は死んだあとにはできない。遺族が代行しようとしても、ログインできる人が誰もいなければおこなえない。遺族がバックアップを取ろうとした場合も、アカウント名とパスワードが分からなければ実現しない。  ネット系サービスの利用者が死んだ場合に、どうすればよいかという問題は、昔からある。大手のサービスでは、このような「故人となったアカウントにどう対処するか」という問題に対して取り組みをおこなっている。その一端を、大手サービスを中心に見ていこう。

Google アカウントの削除

 ネット最大の企業のひとつ Google では、自分の死後に Gmail や Google ドライブのデータを自動削除する方法が用意されている。それは「アカウント無効化管理ツール」というものだ(参照:Googleヘルプ)。  このツールで設定できる項目は3つある。「Google アカウントが長期間使用されていないと判断するまでの期間の指定」「通知する相手と公開するデータの選択」「使用していない Google アカウントを削除するかどうかの設定」である。  まず「Google アカウントが長期間使用されていないと判断するまでの期間の指定」を見てみよう。ここでは、どれぐらいの期間アクセスがないとツールを実行するか選べる。デフォルトでは3ヶ月後だが、6ヶ月後、12ヶ月後、18ヶ月後に変更することもできる。その期間が過ぎても、いきなりツールが実行されるわけではなく、メールなどに確認の通知が届くようになっている。  次に「通知する相手と公開するデータの選択」である。連絡する相手のメールアドレスや電話番号を登録できる。また、公開する Google のサービスを選択できる。それだけでなく、そのアカウントにメールが送られてきた場合の、自動返信メールについても設定が可能だ。  最後は「使用していない Google アカウントを削除するかどうかの設定」だ。この設定ではアカウントを削除するかどうかを選べる。自身の情報を消してしまいたい場合は、こちらをオンにする。アカウントを削除しておけば、死後にアカウントを乗っ取られて好き放題される危険がなくなる。  このような「アカウント無効化管理ツール」を利用して、Google ではネット終活をおこなえる。Google のアカウントは、日本でネットを利用している人の多くが持っている。そのアカウントを死後にどうするかは重要だ。  また一人暮らしなどで、死んだことを誰にも気付かれそうにない人にも有用だ。そうした人は、ツールの設定をしておき、死亡の事実を誰かに伝えるようにしておくとよい。
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