モラ夫との調停では、離婚したい理由をわざわざ示す必要はない<モラ夫バスターな日々43>

弁護士・大貫憲介の「モラ夫バスターな日々<43>

まんが/榎本まみ

 法律相談で、「調停委員を味方につけるにはどうしたらよいですか」と訊かれることがある。特に、見通しの立たないまま離婚調停が長引くと、当事者の焦りが募って、調停委員を味方に引き入れたいと思うようだ。  結論から言おう。 「調停委員を味方にする」必要は全くない。  調停委員にこちらの言い分を分かってもらう必要も全くない。離婚調停における目標は、なるべくよい条件にて、なるべく早期に離婚を成立させることであり、調停委員に分かってもらうことではない。調停委員の理解や共感は、離婚調停成立に必要、有益な場合にのみ、必要な限度でのみで十分である。

モラ離婚では、離婚理由を示してはいけない

 モラ離婚(モラ夫との離婚)の進め方について、多くの被害妻は間違った選択をする。例えば離婚を要求すると、モラ夫は、「なぜだ! 理由を示せ!」という。被害妻は、真っ正直に、具体的理由を示そうと努力する。しかし、これは間違った対応である。離婚理由を示してはいけない。離婚成立が遠のいてしまう。  まず、モラ夫が理由を言わせるのは、離婚要求を潰すためである。したがって、具体的理由を示しても反論がくるだけで、離婚協議は進まない。  調停で離婚理由を示すとモラ夫は、公的場所で自分が非難/否定されたと思い、論争を仕掛けてくることが多い。  多くのモラ夫は「勝ち負け」にこだわるので、自らの具体的モラ言動を否定し、妻を悪者にし、自分の努力、行いを最大限誇張した、読むだけで気分の悪くなるモラ書面を出してくる。それに対し、妻側が再反論してもきりがない。お互いに長い書面を提出し合っても、時間、労力、精神力を消耗するだけで、肝心の離婚条件の話合いは一向に進まない膠着状態となる。  なお、調停委員には、長い書面を読む時間はない。調停手続きにおいて有効な主張書面/陳述書は、A4で1~2枚、1400字程度までが限界であり、それ以上に長い書面は当事者の自己満足に過ぎない(監護に関する陳述書や財産資料を除く)。
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モラ夫との離婚調停を成功させるための3つのポイント
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