世界の軍需企業売り上げTOP100、日本は4社がランクイン。中国は?

F22ラプター

F22ラプターは1位のロッキード・マーティンと2位のボーイングの共同開発(U. S. Air Force Photo)

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が毎年発表している世界の軍需企業ランキングTOP100(ただし、中国の企業は数値が不明のためランキングからは除外されている)の2013年版の結果が2014年12月15日に発表された。少し古いニュースになるが、紹介しよう。  ここ数年、世界的な軍需産業の収益は全体では減少傾向にあるものの、この顔ぶれはここ数年あまり変わりがなく、ほとんどが北米か西欧の企業である。  TOP10企業は次のような顔ぶれだ。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=20995
ランキング

the sipri top 100 arms-producing companies, 2013より

 しかし、今回発表された2013年のランキングにはロシアの軍需産業が10社ランクインしており、2012年の9社から増加し、収益の合計も20%ほど増加している。これは軍の近代化を進めるロシア軍からの発注が増加したことが要因だという。  日本企業は三菱重工業(27位)、三菱電機(68位)、川崎重工業(75位)、NEC(93位)の4社がランクインしている。前年のランキングではこれに加えてIHIとジャパンマリンユナイテッドの6社がランクインし、日本の軍需産業収益が14%伸びたことが特記事項として挙げられていたことを見れば、ややおとなしい結果になったが、これはドルベース集計ゆえ、円安も要因しているだろう。  また、「新興企業」としてカテゴライズされていた中では、インド、韓国、ブラジル、シンガポール、トルコなどがランクインしていたが、最多は韓国の5社。しかし、売り上げ的にはランクインしたインド企業の3社の合計額と同じくらいという結果だった。また、ブラジルの航空機製造会社エンブラエルとトルコの軍用電子機器メーカー、アセルサンについては2010年から続けて100位以内に入っており、着実にその地位を確立しつつあるとしている。  ちなみに、中国企業はこのランキングには入っていないが、それは公式に発表された数値がないためだとしている。しかし、SIPRIによれば、現在、把握できる限りの数値を考えても少なくとも兵器の生産を確認できる10の企業の内9社はTOP100に入る可能性があり、その内の4~6社は20位以内に入り、さらに言えば、その内の中国航空工業集団公司は10位以内に入るだろうとしている。 参照:ストックホルム国際平和研究所 Stockholm International Peace Research Institute(http://www.sipri.org/) <取材・文/HBO取材班 photo/U. S. Air Force Photo>
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会