自治体直営の山村留学センター所長が入寮児童と保護者にレリハラ/不適切宗教勧誘か

母親の反論と無念

 所長の弁明に対し母親は以下の反論をしている。 ・意思の変更について 所長の弁明「ただ本人が意思が変わってどうしても天理高校を受けられないと言われればそれはしょうがないですね」 →「続きがあります。『でも預かる以上は天理高校を目指してやってもらいます』つまり、選択肢はないということです」 ・入信の選択の自由について 所長の弁明「入信するかしないかはご自由です」 →「言われてないです」 ・”交換条件”を示した場所(と時間) 所長の弁明「寮の中ではないと思いますけど」 →「話をしたのは寮の中です、日中です。事務所です」 ・母親の入信について 所長の弁明「別に入信はしなくてもいいですよとそれ違いますよと」 →「『親が入信しないと受験できないんですよ』」と言ってました」  母親はつい先日も所長から「天理教に入っていただけないなら中学から他のセンターに移ればいいでしょ、他にもたくさんあるんだから」と告げられたという。  親の承諾なしに無断で特定の宗教施設に連れて行かれたことについて娘は母親に「試験の前に突然連れて行かれてお祈りした」と話しているという。母親は吐露する。 「娘を教会へ連れて行ったこと。これを思うと苦しいです」  後編では、この所長から送られてきた回答FAXの驚くべき内容、“交換条件”の法的問題、岩国市や天理教本部の対応、天理教が”福祉活動”として行っている天理教里親連盟の問題についてレポートする。 <取材・文/鈴木エイト>
すずきえいと●やや日刊カルト新聞主筆・Twitter ID:@cult_and_fraud。滋賀県生まれ。日本大学卒業 2009年創刊のニュースサイト「やや日刊カルト新聞」で副代表~主筆を歴任。2011年よりジャーナリスト活動を始め「週刊朝日」「AERA」「東洋経済」「ダイヤモンド」に寄稿。宗教カルトと政治というテーマのほかにカルトの2世問題や反ワクチン問題を取材しイベントの主催も行う。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)、『日本を壊した安倍政権』(扶桑社)
1
2
3
4
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会