2019年の国内ニュースを振り返ると、世界各地に広がったデモが対岸の火事だとは到底思えない理由

②メディアの中立性への疑問

 デモをめぐるメディアの報道内容にも大きな違和感を覚えた。実際は平和的なデモが大半であったとしても、ごく一部の抗議者の暴力行為ばかりがクローズアップされて報道されていたように感じる。現に、以下のような音楽による平和的な抗議行動はほとんど報道されなかった。 ◆動画:コロンビア ◆動画:スペイン ◆動画:チリ

NHKによる小川淳也議員演説の悪意ある編集

 一方、日本でもメディアの中立性という観点で大変深刻な内容が3月にNHKのニュースウォッチ9で放送された。野党の小川淳也議員による根本大臣不信任の演説を悪意ある切り取り編集によって、貶めたのだ。この放送は以下2点において、真っ赤な嘘と言って差し支えない。  1点目は、演説内容を偽って報じたこと。小川議員は1時間48分に及んだ演説の冒頭(文字数換算でわずか2%)に統計不正を皮肉る標語を紹介し、以降は具体的な不信任理由を述べた。それにもかかわらず、NHKは「野党側が追及に用いたのは、ネット上に投稿された統計不正を皮肉った書き込みでした」というナレーションを加えて、あたかも小川議員がネットに投稿された標語だけで根本大臣を追及したかのような誤った印象を与えた。  2点目は、小川議員が演説中に水を飲んだシーンを繋ぎ合わせて放送した上、あたかも水を飲んで時間稼ぎをしたかのような誤解を与えるナレーションを加えこと。2時間近い演説中に水を複数回飲むことはごく自然な人間の振る舞いであるにもかかわらず、だ。このような真っ赤な嘘を公共放送であるNHKが放送したことに深刻な危機感を覚える。〈参照:「小川淳也議員による根本大臣不信任決議案趣旨弁明を悪意ある切り取り編集で貶めたNHK」|HBOL〉  また、報道の自由という観点では今年1月〜3月にかけて国内で大きな問題となった菅義偉官房長官記者会見における東京新聞・望月衣塑子記者への質問妨害にも触れておきたい。この問題は7月には遂にニューヨークタイムズも報じた。〈参照:「This Reporter Asks a Lot of Questions. In Japan, That Makes Her Unusual.」(「NY Times」2019年)  筆者自身もこの質問妨害の動画を英訳して発信しており、日本の記者クラブの異常性は世界的にも認知され始めている。
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横行する女性への性暴力とミソジニー
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