韓国公営放送MBC、「週刊ポスト」が徴用工証言を歪曲報道と批判。真相はいかに?

「記録に基づいて、正確に記事にした」

 そこで、週刊ポスト編集部に本件について取材を申し込むと次のような回答を頂いた。 「インタビュー取材の記録に基づいて、正確に記事にしたものです」  同誌編集部では記事化にあたり、取材の音声データも確認し、通訳もダブルチェックをしたという。  筆者も、音声データ自体を確認したかったが、それはできなかった。しかし、赤石氏がいう「某テレビ局」は、テレビ西日本のことであり、12月16~21日にかけて放映された「ももち浜ストア特報ライブ」及び「福岡ニュースファイルCUBE」内のシリーズ企画「韓国人のホンネ」で流れたことが判明したため、現在、編集部ではテレビ西日本への取材と、放映された映像の入手を試みている。  というのも、筆者がMBCの動画で見た限り、崔氏の韓国語は非常に訛りがきつく、韓国語ネイティブでも聞き取りが難しいものだと感じたからだ。とすれば、証言の食い違いや悪意による歪曲ではなく、「翻訳の誤り」という可能性も否めない。そのため、特に「日本人のほうが韓国人より、いい人が多かったと私は考えています。私が炭鉱で働いていた時代、日本人にはとても親切にされた思い出があります」という箇所に関して、筆者自身の耳で実際に確認したいと思っているのだ。  ちなみに、テレビ西日本のオンエアされた動画は未見だが、同局では文字のニュースとして「初証言 元徴用工 福岡での炭鉱労働を語る」という記事を配信している。  同記事では、崔氏の証言は週刊ポストのものとだいたい同じだが、他にも元徴用工の父親が日本人から受けた激しい暴力について語る徴用工遺族の声を紹介し、”同じ時代に、同じ徴用工として日本に渡っても仕事をする場所や、出会う人間によって、体験は大きく異なることは当然ある。/どちらが正しいとか、どちらが真実という問題ではない。/体験者や関係者が語る様々な証言に、偏見を持たずにしっかりと耳を傾けて、相手を理解しようと努力することが、長いバトンを受け継いで、今、戦後を生きている私たちの使命ではないだろうか。”と結んでいる。 <文/安達夕> ※当初配信時、「国営」との表記でしたが、正確には「公営」の誤りでした。お詫びして訂正します(2019/12/26 9:24)
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