「ヘイトやファシズムはもうゴメンだ」イタリアで若者4人が声を挙げた!広がる「反極右」草の根運動・イワシ運動

イタリア全土に広まる「イワシ・ムーブメント」

 モデナを皮切りにイワシ運動の集会はフィレンツェ、ミラノ、レッジョ・エミリア、トリノ、カリアリ、ナポリ、パレルモと広がって行った。同様に外国でもマドリードを始め、パリ、ダブリン、エジンブルグ、アムステルダム、ヘルシンキ、ボルドー、サンフランシスコへと集会は広がった。  12月14日のローマでは4万人が集まった。参加者の一人ロドルフォは「ファシストが拒絶しようとしている価値や忍耐、平等を守りたい」と語った。クラウディオは「今まで黙っていた人は多くいる。しかし、最近政治で良く聞くばかげたことに耐えるのはもう御免だ」といって集会に参加したという。  欧州議会の民主党議員で医者のピエトロ・バルトロは「イタリアは嫌悪、人種差別、不平等の国ではない。愛の価値、人権尊重といった面で良い未来づくりにイワシ運動を信じている。我々は抵抗すべきだ。民主主義における冒涜を許すことはできない」と述べた。  イワシ運動の協力者でケニア出身の記者オゴンゴ・ステフェンは「嫌悪に満ちた雰囲気にはもうたくさんだ。新しい空気を吸いたい。平和に暮らしたい。我々は政党のない政治家で、反ファシスト、反人種差別主義者、反同性愛拒絶者だ。全ての人たちに敬意を払いたい」と述べた。(参照:「El Pais」、「El Periodico」)

サルビニも無視できなくなってきた

 イワシ運動での集会に人が多く集まっていることにサルビニもついに意識するようになっている。サルビニと一緒にいる子猫が写真になってツイッターでイワシを食べる猫として掲載されるようになった。 獣とでも評されるような強力は宣伝マシンを持っているサルビニも今回のイワシ運動の群れに対抗するには良いアイディアは浮かばないようで単に魚を好む猫を持ってきただけである。  また、民主党も同盟に対抗する意味でイワシ運動を味方につけて彼らの支持を得たいと望んでいるようであるがどこまで支持を集められるか疑問視されている。  また民主党から離党して政党ビバ・イタリアを創設したポリティカル・アニマルのいつものマテオ・レンツィーであればこの動きを政治的にうまく利用したであろう。しかし、現在の彼は、自らの政治団体の脱税問題と、ある企業家から70万ユーロ(8300万円)の資金を借りたことに利権が絡んでいるのではないかという疑いから防戦を迫られている。この二つのスキャンダルの影響で新たな動きは当面控えざるを得なくなっている。  イワシ運動の今後の政治との関係がどのような展開になるか注目されている。 <文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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