埼玉西武ライオンズ激闘の裏側と秘蔵ショット。プリンス ワイキキで安らぐ獅子たち

 「今年もプリンス ワイキキに優勝旅行で宿泊できること、とても幸せに思います。このホテルには私が現役時代から優勝旅行でお世話になっていますからね」。142試合目で掴んだ悲願のV2。埼玉西武ライオンズの辻発彦監督はそう言って目尻を下げた。

ベンチ内・ダグアウトに走った緊張

プリンス ワイキキのスタッフに迎えられる辻監督(左)

 苦労して苦労してたどり着いた、遠い南国の地。辻監督をはじめ選手、コーチ、スタッフ、彼らを支えた関係者らがゆったりとしたひとときを過ごした。  船出は決して順調と言える2019シーズンではなかった。宿敵・福岡ソフトバンクホークス相手に開幕3連敗。菊池雄星、浅村栄斗、炭谷銀仁朗という主力を欠き、下馬評も高くなかったことから、借金生活が続いても、疑問視する声さえ少なかった。  7月8日(月)の福岡ソフトバンク戦。ホークス主催の東京ドームでのゲームは5点のビハインドを追いつき、最終回に森友哉が逆転の2ランを放つも、その裏二死から追いつかれ、12回にサヨナラ負けを喫するという辛い日だった。  5時間21分の死闘。通常、適時打や本塁打が出たときは、広報部員が選手のコメントを取りメディア各社に配信するが、この日ほど「聞きにくい」と感じることはなかったという。言葉では言い表せないほどの緊張感がベンチ内、そしてダグアウトに充満していたからだ。  試合後の取材で普段は好材料をあげて前を向くことが多い辻監督だが、この日に限っては「9回に追いついたのは好材料? 負けたもん、楽しくなんかないよ」と悔しがった。

苦しいチーム状況でも気丈に振る舞う

 そして翌日、福岡に移動して迎えたゲームでも再び1点差で負けた。  試合後、宿舎で夕食会場に向かうため、エレベーターに乗った辻監督はその中で、「1点差で負ける、勝たせてあげられないのは監督のせいだよな……」とつぶやいた。  そのときに、同乗していた30歳年下の広報部員には「お前はいつも笑顔で楽しそうでいいよな」と茶目っ気を含ませて笑い、チーム状況がよくない中でも周囲に気を遣わせない一面も見せた。
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死闘を乗り越えた先に訪れた楽園
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