直線が長いタイの道路では飛ばして運転する人も多い
タイでの運転、左側通行なので馴染みやすいと思いきや……
日本人居住者や観光客が多い東南アジアのタイの道路は日本と同じように左側通行になっている。走っている車も軍用や特別な車両でない限り、欧米車でも右ハンドルばかりだ。
そのため、ベトナムなど右側通行の国だと慣れるまでに時間がかかるが、タイならそのあたりの感覚は日本のままでいいので、日本人には馴染みやすい。道路標識も世界的に共通するものが多いので、右側通行の国よりはわかりやすい。そのため、旅行者がタイで車を運転することも、思っているほどは難しくはない。日本人は日本で国際免許証を発行して所持していればタイでの運転は可能だ。
ただ、気をつけたいのは、車の運転に関するマナーや常識、道路交通法が日本とは違う点だ。
たとえば首都バンコクなら、大通りや高速道路が時間帯によって中央分離帯を越えて反対方向の車が走ってくる。つまり、片側4車線の場合、朝夕の渋滞時にどちらかのひとつのレーンを反対方向にして、片側3車線・片側5車線にしてしまう。これを知らないと、道路を半分まで渡って安心して進んだら見ていない方向から跳ね飛ばされる可能性があることだ。タイは過失割合が10:0という判定がよくあり、このケースだと歩行者が悪いとなってしまう。
また、合図に関する違いもある。日本ならありがとうを意味してハザードを出すことがあるがタイにはそのマナーはなく、信号のない交差点などではたびたびハザードがたかれる。右でも左でもない、だから「
直進する」という合図だ。このように日本にはないルールやマナー、常識がいくつもある。
地方の観光地に気軽に行けるので、レンタカーは便利なのだが……
それでも運転しようという人はレンタカーを借りることになるが、タイでレンタカーを借りるとなると、多くがリゾートや観光地になる。南部のビーチリゾートであるプーケットや北部の古都チェンマイなら市街地から観光地までの移動距離も長く、また交通量も少ないので運転しやすく、外国人が運転することも珍しくない。
バンコクならレンタカー窓口は空港にある
その一方で、バンコクはそもそも市内にレンタカーが表立ってはほとんど見られない。需要がないというのもあるし、借りる人は到着時に借りてしまうということもあって、空港には特に欧米のレンタカー会社が窓口を構えている。
しかし、バンコクにまったくレンタカーがないわけでなく、あくまでも表向きには見えにくいだけに過ぎない。それは貸し出しの形態が違うからにほかならない。