ウーバーイーツが一方的な報酬引き下げ。労働組合が抗議

ウーバーイーツユニオンが報酬の引き下げに抗議

ウーバーイーツユニオン 2019年12月5日に、外食宅配事業を行うウーバーイーツの配達員で結成された労働組合「ウーバーイーツユニオン」が、東京都千代田区にて記者会見を行った。  ウーバーイーツを日本で運営する「ウーバージャパン」は、10月18日に配達員の労働環境改善に関する団体交渉を拒否。11月29日には、ウーバージャパン側が配達員に対して一歩的な報酬引き下げを行った。

ウーバージャパンが距離報酬と荷物の受け取り報酬をカット

「一方的な報酬引き下げはおかしい。事前説明はなく、配達員との協議もなかった。納得できる理由を求める」  11月29日、ウーバージャパンは、東京の配達員に対しての基本報酬を引き下げた。ウーバーの報酬は、配達距離や荷物の受け取り料金といった基本料金とボーナス報酬が合わさることで決まる。  1キロ荷物を運ぶと距離報酬が生まれる。これまで150円だったものが、改定後は60円になった。これは、およそ6割のカットとなる。その他にも、荷物の受け取り報酬では約12%のカットが起きた。ウーバーイーツユニオンの前葉富雄執行委員長は話す。「5キロの配達を行うと従来は793円だった。変動後、621円となり、約28%減ってしまいます」。  今回の報酬引き下げは、11月20日に送られた一通のメールのみで通知。ウーバー側は、11月25日から12月1日の7日間、東京港区にあるパートナーセンターにて説明会を行ったものの、改定前の収入維持はされるのかといった質問に対して、具体的な回答はなかったという。  「現場にしかわからないことがある。現場の意見を汲み取るビジネスモデルを作るべき」と組合側は訴えた。
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ウーバージャパンは配達員は「労働者」に該当しないと主張
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