世の中のイッキ飲みに対する印象の調査では、
「時代遅れ(54.2%)」との回答が最多となった。そのほか「恥ずかしい(30.0%)」、「ダサい(27.2%)」「つまらない(24.2%)」とイッキ飲みについては良い印象を抱いていない回答が続いた。
昨今のコンプライアンス遵守や価値観の多様性から、現代ではイッキ飲みが時代錯誤に映るようになったのかもしれない。
また、恋愛におけるイッキ飲みの印象については、「カッコ悪い(カッコ悪い・どちらかというとカッコ悪い)」と回答した人は91.2%に上る。男女別では、男性が89.2%、女性は93.2%が「カッコ悪い(カッコ悪い・どちらかというとカッコ悪い)」という印象を抱くことからも、男女関係なく恋愛の場面でのイッキ飲みは相手に引かれてしまうことがわかった。
イッキ飲み強要が罪になることを知らない人は5割近くに
イッキ飲みをさせる側に回ってコールに参加した人は31.4%と、約3人に1人が一緒に飲んでいる人にイッキ飲みを煽った経験があるという。
「その場の雰囲気を壊したく無かったから」(東京・35歳女性)、
「みんなでコールしなければならない雰囲気になっているから、自分だけ黙っている事はできない」(埼玉・36歳男性)と、イッキ飲みを断れない理由と同様に、場の雰囲気に合わせて、やむを得ずコールに参加したという意見が多くみられた。
イッキ飲みは時として、命を脅かす自体になりかねない。短時間で体内にアルコールを摂取するイッキ飲みはスピード飲酒とも言われ、急性アルコール中毒を招き、病院へ緊急搬送される事態も起きうる。
病院へ緊急搬送される経験があるかという調査では「自分が運ばれた経験がある(9.0%)」、「自分が運ばれた経験はないが、周りの人が運ばれた(25.2%)」とお酒を飲みすぎて救急車で運ばれたり、周囲が運ばれたりした経験がある人は3割に上る実態が明らかに。
相手が嫌がっているのにイッキ飲みを勧める。お酒が弱いにも関わらず、場の雰囲気を盛り上げるためにイッキ飲みを強要する。これらの行為は場合によって罪に問われることもある。
調査を実施したキリンホールディングスによると、イッキ飲みを強要したことが原因で急性アルコール中毒になれば「過失傷害罪」、仮に死亡すれば「過失致死罪」に当たる可能性があるという。また、酔い潰れた相手を放置した場合には「保護責任者遺棄罪」、死に至った場合は「保護責任者遺棄致死罪」とお酒の飲酒に関わる刑罰は様々だ。
実際に、過度な飲酒の強要が罪に問われることを知っているかという調査では、47.6%もの人が「知らなかった」と回答した。イッキ飲み自体の印象は時代錯誤でカッコ悪いという風潮は高まりをみせるも、場の雰囲気でイッキ飲みを強要する行為自体が罪に当たることを知らない人は、まだまだ多くいるようだ。
<文/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。