そこで地元カルテルの
サンタ・ロサ・デ・リマは
シナロアなどに救援を望むようになっていた。
実は、これに対してシナロアは当初消極的であった。CJNGがシナロアを脅かすことがなかったからだ。シナロアではそのリーダーのエル・メンチョもいずれ逮捕されると見ていた。ところが、CJNGは逆に積極的にしかも大胆に投資などをしていたことからシナロアと縄張りがかち合う市場が生まれるようになってきた。(参照:「
Sin Embargo」)
そこでシナロアは遂に腰を上げたのである。
シナロア、ロス・セタス、デ・ゴルフォや
カルテル・デ・グアダラハラの設立者カロ・キンテロらが団結しておよそ
200人の武装した殺し屋を、
CJNGがコントロールしているビリャグラン市に集結させたビデオがネットに載った。(参照:「
Vanguardia」)
TwitterやYou Tubeでもまだ拡散している。
シナロアはエル・チャポが米国の刑務所に収監されてから、組織の動きが停滞するのではないかと見られていた。ところが、息子の一人オビディオ・グスマンが先月国家警備隊に逮捕されたが、シナロアの猛攻な反撃を受けて釈放せねばならなくなったという事件があってからシナロアは現在も健在だという証拠を見せつけたのであった。
これからメキシコはCJNGの勢力を挫くべくシナロアをリーダーとして他のカルテルと一緒になっての攻防が激しく展開しそうだ。
<文/白石和幸>