使えない「最新の」自己啓発本やビジネス本を何冊も買う前にやるべきこと

過去を振り返り、積み重ねる

 近年、「アップデート」という言葉が流行っているが、それを「全置き換え」や「全上書き」という意味で使っている人がいる。本来は「温故知新」的なものであり、良いものはそのままで、時代に合わないものだけを変えるという発想のものだ。  人間は、心理的に新しいものを求める一方で飽きやすい、そのために、「古いものはダサい」「古いものは変えるべきだ」と言って、古いもの全て捨てて新しいものを取り入れようとするが、それは完全に企業のマーケティング戦略に転がされているだけだ。何かを変えたいがための行動ではなく、心理的欲求に従っているだけなのだということを忘れてはならない。  自己啓発本やビジネス本などにおいても、日本社会が持っている強みを把握して、それを高める方法を学び、実践するほうが効率的である。この手法は、一般的な問題解決と同じだ。現状を把握し、ポテンシャルのある領域を特定して、そこを高めることで効率的な問題解決を行う。

社会や風習も視野に

 日本人がスキルアップするためには、まずは自己診断という個人だけでなく、日本人の国民性がどういうものなのか学ぶ必要がある。それをするためには、新渡戸稲造の著書が最も内容が濃いと言える。それを踏まえたうえで、海外から日本に入ってくる自己啓発本を読むことをオススメする。  また、自己啓発本はどれも分厚く読むのに時間がかかるが、当サイトにも寄稿する高田晋一さんの著書『やってみてわかった成功法則完全実践ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はオススメだ。  他では見たことないほど、世の中にある多くの成功哲学が具体的に書かれており、それを高田さんが実際にやってみた時の肌感覚・実現可能性まで書かれている。  日本人が忘れつつある、ポテンシャルや精神性を再度呼び戻して、それを現代にアップデートする必要があるのではないだろうか。 【参考文献】 『運命を拓きゆく者へ』新渡戸稲造 『やってみてわかった成功法則完全実践ガイド』高田晋一 <取材・文/山本マサヤ>
心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。
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