「桜を見る会」に参加したことについてはお店の方から聞いたのだが、彼女自身も「いろんな業界の方が大勢いて楽しかったです。経営者の方なんかもいらっしゃってましたね」と、感想を語ってくれた。
テレビや新聞の報道でしか見たことがなかったので、なんとなく“有名人”だけが集まるものだと思っていたが、実際の現場には様々な人間が訪れているのと感じたそうだ。
そんな話を聞きながら、筆者は「いったい、この人はどういう理由で招待されたんだろう?」と思ったのが正直なところではある。たしかに会話は面白いし、見た目も艶やか。プロは違うなと感じたが、「桜を見る会」の趣旨とはいったい……。
敢えて好意的に解釈すれば、「インフルエンサーとして呼ばれているんだろうな」というものだ。
元号を発表した菅官房長官が「令和おじさん」となったように(実際、若い人から直接聞いたことはないが……)、テレビや新聞はもちろん、SNSでバズることでの宣伝効果は絶大だ。
“無修正”の状態で、呂律の回らない支離滅裂な言い訳をしたり、指をさして野次を飛ばす姿をニュースで見るのと、よく目にするスターたちと笑顔でSNSに載っているのとでは、印象は大違いだ。
しかし、国費=税金を使って印象操作とまでは言わないまでも、宣伝をするのであれば、それはプロパガンダでしかない。それこそ、話は振り出しに戻るが、いったい何のために行っているのかという話である。
「若者への影響力がある」のと「功績」とは、イコールではないはずだ。友達を集めて自分のカネで桜を見ながら飲み食いするのと、公的行事に時の、政権与党支持者や、都合のいい宣伝をしてくれる人だけを集めるのとでは意味合いが全く違う。
若手記者しかいないという「ツッコまれにくい」タイミングを狙ってのぶら下がり独演会で「国会に呼ばれればすべて話す」と、あたかも潔く言い切ったように報じられているが、直後に自民党幹部筋から「もう終わりだ」という談話が出て、与党は野党側が求めている衆参両院での予算委員会集中審議の開催に応じない構えだと報じられた。(参照:
時事通信)
つまりは「釈明」の20分も完全に茶番なのである。
さらには、絶妙のタイミングで有名芸能人の薬物逮捕報道が飛び込んできた。ワイドショーなどは週明けから完全にそちらにシフトするだろう。しかし、こんな茶番で幕引きをしたらどうなるか。この国の将来を見据えて、決してここで幕引きなどをさせてはいけないと、国民もメディアも認識すべきだろう。
<取材・文/合田ガルーダ>