大学教授、予備校講師が指摘する「記述式試験」の問題点。一刻も早い中止を

文部科学省 中京大学の大内裕和教授らでつくる「入試改革を考える会」は11月15日、大学入学共通テストの実施延期を求める緊急声明を発表した。  11月1日には、英語の民間試験の2020年度実施が見送られたが、「考える会」は共通テストそのものの実施を延期し、センター試験を継続するよう訴えている。

記述式の試験の採点、途中で採点基準の見直しが必要だが……

 11月15日に参議院議員会館で開催された集会では、「考える会」から東京大学の中村高康教授や日本大学の紅野謙介教授らが登壇。近代文学が専門の紅野教授は、「国語の記述式の試験は、本質を理解していない人たちが作ったとしか思えない」と批判する。 「問題を作成する人は、作問の時点で解答例をいくつも作っておきます。それでも実際に試験をしてみると、受験者の数だけ多様な回答が出てきます。どんなにシミュレーションしても、こちらが想定していなかったような回答をする学生が必ず出てくるんです。  実際の回答を踏まえて、採点の基準を見直し、見直された基準に沿って一から採点し直す。記述式の採点にはこうしたプロセスが必要なのですが、それを50万人規模で実施できますか? 共通テストでは記述式の試験を中止した方がよいでしょう」

数学は「記述式の意味がない」問題になっている

 大手予備校で物理を教える吉田弘幸講師も記述式を中止するよう求めた。 「数学の記述式の試験では、回答に至るまでの過程をしっかりと見る必要があります。それなのに共通テストの記述式では、最後の回答しか書かせておらず、記述式の意味がないんです。手書きにすることで判読がしづらくなり、採点ミスが増えるだけではないでしょうか」  数学の記述式の試験も国語と同様の問題を抱えている。作問した側が想定していなかった解法が必ず出てくるため、答案を集めてから採点の基準を見直す必要があるのだ。吉田講師は「大規模な記述式の試験で公正な採点は不可能です」と話した。  また数学では、マークシートの設問にも問題があるという。問題文に「太郎さんと花子さん」といった登場人物の対話が導入されたことで、「数学の問題を解く前の段階で、冗長な前置きを読み解かなければいけなくなった」(吉田講師)のだ。 「この数学のテストで本来評価されるべき数学の能力を正しく評価できるのでしょうか。共通テストは中止し、センター試験を継続してください」
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野党4党は記述式の中止を求める法案を提出
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