週2で手のひらサイズの子犬や子猫を「新入荷」。ペット「生体展示販売」の狂気
市場規模が1兆5000億円を上回る、大規模な日本のペット産業。基盤となっているのが、子犬や子猫を扱うペットショップだが、その裏には「動物=商品」と見なす、残酷な現実が隠されている。前回に引き続き、ショーケースの中にいる動物たちに何が起きているのか?
今回は、元従業員が告発する「売れてナンボ」のビジネスモデルから生まれる地獄のような構図を紹介する。
動物がモノ扱いされている実態の象徴が、ショーケースに入れた犬猫を店頭で陳列販売する「生体展示販売」というビジネスモデル。そこについて回るのが過剰な仕入れと余剰在庫の発生だ。都内にあるホームセンター内のペットショップに勤めていたAさんは言う。
「40匹近い犬猫がバックヤードに積まれているにもかかわらず、経営者は週に2回、生後2か月くらいの“手のひらサイズ”の子犬や子猫を3~4匹仕入れてきました」
ただ、ペットはそう簡単に売れるものでもない。Aさんの店でも「多いときで一日2匹くらい。普段は1匹、売れるか売れないか」だったという。にもかかわらず、短いサイクルで次々に仕入れてくるのはなぜなのか。
「生体展示販売は時間との闘いです。店頭で高く売れるのは体が小さい生後3か月くらいまで。生後5か月を過ぎて体が大きくなると、展示してもなかなか売れなくなります。だから次々に新しい子を入れて、ショーケースを旬の子たちで埋めようとするんです」
短い“旬”を過ぎた犬猫たちは”余剰在庫”扱いとなる。そして「その子たちに待っているのは、生き地獄です」(Aさん)という。
過剰な仕入れと余剰在庫。売れ残れば“生き地獄”
「ショーケースを旬な子で埋めようとする」経営者
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