ダメ上司が使いがちなビジネススキル。対立や反発を生み出す話し方とは?

 相手の考え方を、自分の考え方に誘導する方法として、「Yes But話法」がもてはやされた時代がある。相手の見解に対して、「確かにそうですね。しかし、私はこう思います」というように、相手の意見を肯定してから、それを否定する話法だ。

対立を生んでしまうYes But話法

指示のイメージ

photo via Pexels

 相手の考え方をいきなり否定してしまっては、相手を誘導するどころか、対立を激化させてしまう。そこで、この話法はまず肯定することから始めることで、対立を緩和することを目的としている。  しかし、この方法、Yesの場面ではよいのだが、Butのフレーズに入った途端に、対立が生じてしまう。  そこで、「Yes Yes But話法」なるものが考案された。相手の見解に対して深く同意すればするほど、その後、Butを繰り出したとしても、相手への共感が深い分、誘導しやすいという方法だ。  しかし、この「Yes Yes But話法」、よかれと思ってYesを繰り返せば繰り返すほど、相手に対してバカ丁寧だという印象を与えがちで、かなり使い方の加減が難しい。  やり過ぎると、まるで胡麻をするように手をすり合わせながら、「おっしゃるとおりでございます」「仰せに従います」と繰り返して言っているような状況になり、そこからButへの切り替えしがしづらくもなる。  対立をできるだけ生じないようにして、相手の考え方を誘導する話法がないだろうか。20年来ビジネススキルを向上させる演習をしてきて、私の演習参加者が最も繰り出しやすく効果がある方法が、「同意+示唆」のリアクション誘導話法だ。

「同意+示唆」で対立を回避する

「同意+示唆」とは、相手の考え方に理解を示した後(同意)、相手の考え方を否定する表現につなげないで、「○○という方法も考えられるかもしれませんね」「○○という意見もあるかもしれませんね」と別の考え方を示唆する方法だ。  そもそも、前段で同意していようといまいが、「AではなくBだ」と別の考え方を断言するから対立が生じるわけで、断言しなければ対立は生じない。「同意+示唆」は、断言しないで柔らかに相手を誘導する方法だ。 「同意+示唆」を繰り出したあと、相手が「まあ、そうだな」「そういう意見もあるな」というように、少なくとも反対しない見解を示してきたら、その分、誘導できたということになる。  相手が「いや、そうではない」「そういう意見は当てはまらない」と反論で返してきたら、誘導できなかったことになるが、対立は生じていない。  この対立が生じていないことこそに意味がある。その後の誘導の余地を残すからだ。しかし、対立してしまったら、その修復に時間がかかり、誘導できたとしても相当程度先のことになってしまったり、相当の労力を費やさなければならないことになる。
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