10月25日に行われた、「La Marcha Más Grande de Chile」チリで一番大きいデモが行われた首都サンチアゴの様子。背面に移るビルの目の前に、デモの中心部である「Plaza Italia」(プラザ・イタリア)があり、そこからAvenida Alameda (アラメダ通り)がチリの「国会」であるLa Monedaまで続いている
チリでは、10月19日から政府が
「緊急事態」(Estado de Emergencia)と断言をし、同月27日の午前零時まで、外出禁止条例(Toque de Queda)と緊急事態宣言が発令されていた。
物事の始まりとなったのは、石油の値段によりメトロが30ペソ(約5円)上がった事により、学生がデモを始めた。
それを機に、OECD(経済協力開発機構)一の格差国であるチリの、様々な格差の原因に対し国民が声を上げ続け、10月25日金曜日には中心部のPlaza Italiaに140万人以上が集まり、チリの歴史上最大のデモがサンチアゴで行われた。
だが、国民の声が上がれば上がるほど、「政府による暴力」も増えている。
実際、今チリで何が行われて何が問題なのか。国民が何を訴え、何を恐れているのか。
世界中のニュースを見ると、今のチリのデモは「暴力」「危ない」という言葉で表されているだろう。放火が繰り返されていたり、強盗や死人も出ていると報じられているからだ。
しかし、チリの人権委員会、INDH Chile (Instituto Nacional de Derecho Humanos) によると、現時点(現地時間10月31日午前23時)には逮捕人数4271人、病院に搬送された人数1305人、そして政府に対する損害賠償(殺人・性暴力・拷問)が167人とされている。つまり、なかなか表には出ない「政府の人権侵害」が横行しているのだ。
デモにて「チリでは今だに拷問を続けている」と訴える国民。これは、政府をはじめとする警察や軍人の違法逮捕、デモ中の催涙ガス、さらには拷問に対する訴えだ。Chileが$hileと書かれているのは、水道の民営化、年金システムなどを国や政府が「利益のために売っている」と訴える国民が、色々なところに書いている。