「カニメロン」菅原一秀元経産省への追及はこれからが本番。大臣辞任だけでは済まない

菅原一秀氏

菅原一秀氏

「説明なき大臣辞任」で逃げを決め込んだ菅原一秀

 週刊文春で地元有権者への買収疑惑が報じられていた菅原一秀氏が、経産相を辞任した。10月24日に記者団に対して「明日の国会で説明する」と語ったまま、25日に辞任。結局、いまだにまともな説明はなされていない。  辞任後も週刊文春はもちろん、それを後追いする形で新聞などの大手メディアも菅原氏の問題を引き続き報道している。菅原氏自身が事実関係を明らかにしない一方で、各メディアが独自の取材により次々と菅原氏の問題行為を報じている状況だ。  菅原氏の地元練馬区では27日、市民が「練馬の恥」といったプラカードを掲げて菅原氏の議員辞職を求める街宣も行った。大臣辞任で済ませていいはずがないのは、明らかだ。

菅原氏は「疑惑の100均一ショップ」

 菅原氏の問題は、有権者買収疑惑だけではない。大臣辞任の直接的な原因が、事実であれば公選法違反にあたる香典問題だっただけで、そもそも大臣就任以前から大臣どころか国会議員として不適格と思えるようなエピソードに事欠かない人物だった。  事実、菅原氏が大臣に就任した直後には、ライターの大山くまお氏が『文春オンライン』で「12の不祥事を持つ男」として菅原氏を紹介。「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子供を産んだら女じゃない」といった菅原氏の女性蔑視発言、国会会期中に女性同伴でハワイで「ゴルフ三昧」と報じられた問題、蓮舫氏について「『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている」とのデマを流した問題、選挙公報に「甲子園出場4回」と記していながら実際にはアルプススタンドで3回応援していただけだったという経歴詐称問題などを列挙している。  ここには今回の菅原大臣辞任の立役者である週刊文春の報道も含まれているが、今回の一連の報道とは別の過去の報道だ。  また菅原氏が有権者にメロンを贈った件も『朝日新聞』が2009年8月3日夕刊で報じたことがある。 〈複数の関係者によると、菅原氏側は、菅原氏が現職当時の同年7月、北海道稚内市の物産店に贈答用メロンを注文し、配送を依頼した。2個入り123件、3個入り9件、5個入り1件の計133件で、1件千円の送料と合わせ費用は計75万8千円。菅原氏が代表を務める自由民主党東京都第9選挙区支部あてに領収証も発行された。注文はその後、数件増えたという。〉(同記事より)  菅原氏を大臣辞任に追いこんだ週刊文春による一連の報道は、10月17日号(10月10日発売号)から始まった。これまで報じられていなかった独自内容や、様々な証拠資料、証言を網羅した、まさに雑誌ジャーナリズムと言えるものだった。  とは言え、上記のように、菅原氏は一連の週刊文春報道以前から、明らかに問題が多すぎる人物だった。週刊文春は10月17日号で菅原氏を「疑惑のデパート」と評したが、菅原氏が抱える疑惑や不祥事は巨大疑獄のようなものではなく、どれもセコい内容ばかり。  私が知人である編集者に「菅原は疑惑のデパートなんて立派なもんじゃない。疑惑のディスカウント・ショップだ」と言うと、編集者からはこんな返しが来た。 「疑惑の100均だ。陳列が雑だし安っぽい」  もともと国会議員として不適格と言わざるを得ないレベルにあった菅原氏の「疑惑・不祥事の圧縮陳列」が、経産相などという不相応な店を構えたことで崩れ落ちてきて、奥の方に隠れていた在庫まで通路に散乱した。たとえるなら、そんな構図だ。
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